【平成の長崎】明治時代の絵馬「算額」 半年かけて修復 長崎・諏訪神社 平成4(1992)年

 昨年の台風17号で倒壊した長崎市上西山町、諏訪神社回廊から見つかった算術の問題を絵馬にした明治時代の産額(さんがく)が、修復を終えて11月18日、報道陣に公開された。
 昨年9月の回廊の解体作業中、原爆で被災した屋根のはりに補強のため打ち付けてあったのを発見。福江市の彩色師が半年をかけて修復した。
 算額は算術の一流派、関流の山口政太郎が明治20年3月に納めたもの。諏訪神社から稲佐山までの距離や高さを測量している絵図と、与えられた金額から果物の個数などを求める問題2題が答え付きで記されている。大きさは横211センチ、縦115センチ。
 来春開館予定の諏訪の杜(もり)文学館に展示、公開することにしている。
(平成4年11月19日付長崎新聞より)
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【平成の長崎】は長崎県内の平成30年間を写真で振り返る特別企画です。

報道陣に公開された算術の問題を絵馬にした「算額」=長崎市上西山町、諏訪神社本殿

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