<レスリング>ドミトリ・コーキン国際大会(ロシア)出場の日本チームが帰国

(取材・撮影=矢吹建夫)

ロシアから帰国した日本チーム

 ロシア・ヤクーツクで行われたドミトリ・コーキン国際大会に出場した日本チームが9月9日、成田空港に帰国した。メダル獲得はならなかったが、2016年リオデジャネイロ・オリンピック57kg級銀メダルの樋口黎(日体大助手)が65kg級で初めて国際大会に挑み、57kg級では国際大会初参加の新井陸人(日体大)が善戦して日本軽量級の強さを見せるなど、実りある遠征だった。

 湯元進一監督(自衛隊)は「新井選手が自分の実力以上のものを出してくれたと思います。その中で反省点が明確に見え、非常に収穫ある大会だったなと思います。樋口選手に関しては、本当にマークされて研究されてるんですよね」と振り返った。

 階級が変わっても警戒され、研究されてしまうのがオリンピック・メダリスト。その中で勝ち抜くには、「変化を入れていかなければならないと感じました。これが分かったことも収穫と思います。僕からも伝えていかなければならない」と話した。

成田空港での最後のミーティング

 初戦敗退に終わったが、97kg級の赤熊猶弥(自衛隊)はロシア選手相手に善戦し、「1勝していれば、いい方向に結果が出たと思います」と、今後に期待した。


 ■65kg級・樋口黎(日体大助手=65kg級として初の国際大会)「アジア選手権で優勝したり、(レベルの高いイランの)タクティカップで優勝するような選手とも試合できたことは収穫になりました。技術うんぬんより、筋力アップなど土台の部分をもっと成長させていかないと世界では通用しない。研究と対策もされていたことも感じます。片足タックルが取り切れなかったり、腕取りがかからなかったり、すごくやりづらさを感じました。対策されても取れるような何かを身につけていきたい」

 ■57kg級5位・新井陸人(日体大)「海外の選手と試合をするのが初めてでした。自分の技が通用しましたが、タックルの処理の遅さで返される場面も多かったので、そこは修正していきたい。1回のテークダウンで負けてしまったりもしたので、グラウンドの強化をしていきたいです」

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