救急隊員ら産科の対応学ぶ 長崎医療センターで講習会 大村

 救急隊員らが妊産婦や新生児に対する救急対応を学ぶ講習会が1、2の両日、大村市久原2丁目の国立病院機構長崎医療センターであり、県央地区を中心に県内外の計36人が参加した。
 同センター産婦人科によると、同隊員は救急車到着前や搬送中の出産、妊婦の交通事故などの際に専門的な対応が必要になる。同センターは救急車で専門医の指示が受けられるホットラインを設けて支援しているが、隊員が専門的知識を持たず不安を感じているケースも少なくないという。
 講習会は、専門医らから基礎的な指導を受け、試験に合格すると米国家庭医学会の受講認定が受けられる制度に基づき実施。県内で2013年と17年は離島で開き、3回目。今回は県が「地域医療介護総合確保基金事業」で支援している。
 1日は参加者が3人ずつのチームに分かれ、分娩(ぶんべん)介助や新生児の心肺蘇生法などについて実技訓練に取り組んだ。同センター産婦人科の安日一郎部長は「やむを得ず救急車内で分娩するケースなど、件数は少ないが県内でも実際に起きている。来年以降も開催していきたい」と話した。

赤ちゃんの人形を使い、心肺蘇生法を訓練する参加者=大村市、国立病院機構長崎医療センター(写真は一部加工)

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