金属行人(9月11日付)

 6日未明に北海道胆振地方を襲った震度7の巨大地震。道内の鉄鋼メーカー、流通の操業に大きな影響が出ており、早期復旧に向けて対応を急いでいる▼災害は忘れたころにやってくる。今回、テレビなどの映像を見て8年前の3月11日、東日本大震災を思い出した人も多いのではないか。地震が起きると、真っ先に道路、電気、水道などのライフライン確保が問題になるのは一緒。特に今回は道内ほぼ全域の290万世帯が停電となり、一時パニック状態に陥った▼停電は「オール電化」を導入している家庭にとって死活問題。水をくみ上げるポンプの電源が落ちたことでマンションが断水するケースもある。そのほか今回の地震では、会社のオートロックが開かなくなった、光回線のインターネットがつながらなくなったなどの事例もあったようだ▼先月、業界団体の見学会で東京電力柏崎刈羽原子力発電所を訪れた。同所は現在、7基ある原子炉のうち6、7号機が再稼働に向けて国の適合性審査を受けている▼再稼働に関してはさまざまな意見があるだろうが、原子力発電の仕組みや関東地区が置かれている電力事情などを学ぶと、改めて普通に使用している電気の利用方法について考えさせられる。

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