グランピング施設完成 27日宿泊開始 五島

 ホテル事業を展開する藤田観光(東京)が長崎県五島市富江町の旧田尾小跡地に整備していたアウトドア施設が完成し、27日から営業を始める。ベッドや電化製品などを備えたテント内で快適に生活できる「グランピング」と呼ばれる形態で、欧米などの訪日外国人の誘客にも力を入れる。旧校舎では田尾地区の活性化に取り組む団体がレストランを運営し、地域住民も気軽に利用できるようにする。
 施設名は「Nordisk Village Goto Islands」(ノルディスク・ビレッジ・ゴトウ・アイランズ)。2001年に休校、11年に閉校となった旧田尾小の敷地(約5千平方メートル)に、1棟で最大3人が泊まれるテント10棟や共有キッチン、シャワー室などを設けた。
 改修した木造平屋の旧校舎にも客室や受付所を設け、同市の一般社団法人「田尾フラット」がレストランを運営する。宿泊客に五島産の食材を使った朝食や夕食を出し、地元住民もカフェなどとして利用できる。同法人は今後、旧校舎内で、島のヤブツバキから採取した「五島つばき酵母」を使ったどぶろく作りなどにも取り組むという。
 10日は現地で、施設の完成を記念した式典があり、関係者や地元住民ら約80人が出席。テープカットなどで祝った。藤田観光の伊勢宜弘代表取締役は「五島には潜伏キリシタン遺産もあり、『聖地巡礼』をキーワードに外国人の利用も見込める」と期待。田尾フラット代表理事の有川智子さんは「五島や田尾のおいしい食材をふんだんに使い、健康的な食事を提供したい」と意気込んだ。
 大人1人の料金は1泊朝食付で1万6千円(税別)から。宿泊などの問い合わせは同施設(電0959・86・3900)。

ベッドやソファ、冷蔵庫などを備えたテント内=五島市富江町
改修した旧校舎の前で、テープカットをして祝う関係者=五島市富江町

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