台風被害の関西電炉、操業再開広がる 一部、屋根改修の遅れが影響

 台風21号の強風などによる被害で操業停止していた関西地区の電炉各社は、一部を除いて先週末から今週初めにかけて操業再開が広がっている。雨天による屋根改修の遅れで天候を見ながらの段階的な操業もあるが、順次、再開にめどをつけ始めた。

 各社ともに工場や製品倉庫の出入り口シャッターのほとんどが破損し作動しないため、ガス溶断などで開口して製品などの入出庫を行っている。

 岸和田製鋼(大阪府岸和田市)は先週6日夜から製鋼を、7日夜から圧延を再開した。共英製鋼・枚方(大阪府枚方市)も5日夜から圧延、6日夜から製鋼を再開。中山鋼業(大阪市西淀川区)も5日夜から圧延、7日夜から製鋼を再開した。

 中山製鋼所(大阪市大正区)は4~5日と2日間操業停止したが、6日から順次操業を再開している。合同製鉄・大阪(大阪市西淀川区)は「設備に支障なし」として、「ほぼ通常操業」という。

 一方、新関西製鉄は、被害の少なかった星田工場(大阪府交野市)が操業確保しているが、堺・圧延工場(大阪市堺市)では屋根・壁の一部に被害が出たため、天候を見ながらの操業再開になっている。8日は操業したが、9日は雨天のため休止した。応急措置をして屋根改修業者の本改修を待つ状態。

 日鉄住金スチール(和歌山市)も屋根・壁などに被害が出たが、週末連続操業体制の製鋼は今週末にほぼ通常操業できる見込み。圧延も「段階的に操業再開中」で、早期の屋根改修工事を待つ状態。

JFE商事甲南スチールセンターも操業再開

 コイルセンター(CC)のJFE商事甲南スチールセンター(本社・神戸市東灘区、社長・加藤伸樹氏)は停電のため、操業が停止したが、9日からは操業を再開している。浸水被害はなかった。

堀田ハガネも通常業務に

 特殊鋼流通の堀田ハガネ(大阪府堺市)は、高潮と強風により本社工場の一部が冠水したが、切断機と材料には問題なく、6日朝から通常業務に戻っている。台風による2日間の出荷遅れも、8日に臨時出勤するなどし解消している。

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