厚木市、全消防署に救命ボート配備へ 河川からの浸水多発

 全国で台風や集中豪雨による浸水被害が多発する中、神奈川県の厚木市消防本部は全消防署施設(2署7分署)への救命用ボートの配備に動きだした。導入済みの施設もあり、新たに3艇を導入することで、すべてに配備できる見通し。2018年度一般会計補正予算案に関係事業費約359万円を計上しており、10月5日の市議会本会議で可決されれば年度内の早期導入を進める。

 市内には相模川をはじめ、大小さまざまな河川が市全域に広がる。市消防本部では従来、河川の水難事故対策などから1署5分署で既に救命用ボートを配備している。しかし近年は、全国的に浸水被害が頻発している現状も踏まえ、残る1署2分署にも配備し、対応力強化を図ることにしたという。

 配備されていないのは、北消防署本署(下荻野)、同署小鮎分署(飯山)、厚木消防署南毛利分署(長谷)。ボートは船外機と呼ばれる推進システムも付けられる見通しのほか、9月12日の市議会総務企画常任委員会では、子ども向けを含む避難者用ライフジャケット計30着も併せて導入する考えを示した。

 市消防本部の担当者は「河川の増水によるものも含め、将来の浸水被害への備えの充実を進めたい」と説明した。

厚木市消防本部による水難事故を想定した潜水訓練(2018年5月撮影)

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