ワールドカップ終了後に驚きの挑戦をした男がいる。本田圭佑氏だ。オーストラリアリーグのメルボル・ビクトリーでプレーする本田圭佑氏だが、2018年8月に、滞在先のカンボジアで前代未聞の挑戦を口にした。現役プロサッカー選手ながらのカンボジア代表監督として二足の草鞋を履くという世界でも例を見ない挑戦だ。そんな何かと話題のカンボジアで、プロ1年目ながらカンボジア1部リーグで大活躍中の岡本一輝(おかもと かずてる)選手がコラムに登場してくれました。
◆選手経歴
・中野島FC
・川崎フロンターレU15
・川崎フロンターレU18
・桐蔭横浜大学サッカー部
・Angkor Tiger(カンボジアリーグ1部)
◆大学4年、プロを目指した男が向かった先は、カンボジア!
川崎フロンターレU15、U18、桐蔭横浜大学サッカー部。関東でも名のあるクラブでプレーし続け、青春をサッカーに捧げて、Jリーガーになるという夢を追い続けて来た岡本。
しかし、大学4年を迎えた岡本の元にJ1、J2リーグからのオファーは、届くことはなかった。
彼が下した決断は、海外でのプレーだった。
「J1、J2のカテゴリーからオファーを頂くことが出来ませんでしたが、すぐに切り替えて、J3リーグでプレーするのか、海外でプレーするのか、を視野に入れながら日々の生活を送っていました。そして、海外のチームと契約する上で、PV(プレービデオ)が必要だということで、フロンターレのプロモーションの方に協力して頂いてPVを作成しました。」
「そのPVを今のチーム(Angkor Tiger FC)の加藤オーナーに見て頂ける機会があり、昨年の11月にカンボジアへ行って練習参加を経て、見事契約を勝ち取りました。
◆気になるカンボジアリーグのレベルや特徴は??
カンボジアリーグは、各チーム外国人枠が5人、その中で試合に出場できるのが4人となっています。つまり、スタメンの11人のうち、残りの7人はカンボジア人という構成です。
また、各チーム外国人枠の選手は、Jリーグや、東南アジアなどでプロとして、プレーされていた日本人選手や、身体能力の高いアフリカ人プレーヤーなど、レベルの高い選手が多くプレーしています。
カンボジアリーグの特徴として、リーグの上位のチームには、カンボジア代表の選手が集まっているため、上位と下位のチームとの実力差が大きい事が挙げられます。
本田圭佑選手がカンボジアのプロチームのオーナーや代表監督に就任したこともあり何かと話題のカンボジアリーグだが現地でプレーする岡本は次のように語る。
「年々、レベルが上がってきているカンボジアのプロリーグですが、まだまだ、他の国のリーグに比べると、環境面、待遇、そしてカンボジア人プレーヤーのレベルが低く、サッカーの観客動員数もプノンペンでのアウェーゲームのときは、観客が500人も満たない試合が多々あります。
僕が所属するAngkor Tiger (アンコールタイガー)は、カンボジアのクラブで1番の観客動員数を誇っていますが、それでも1番多い試合で約3500人と、J2リーグの平均にも満たないのが現状です。」
◆ストライカーとして結果を残すコツとは?
コツという訳ではありませんが、メンタルコントロールの部分は毎試合意識するようにしています。とにかく結果が全てのプロサッカーの世界。その為、緊張や、重圧のかかるゲームが毎試合あります。そんな時でも平常心を保ちながら自分のプレーを魅せれるか、そのカギを握っているのが試合中のメンタルコントロールの部分です。自分が学生時代の頃と比べると、メンタルコントロールに大きな変化が生まれましたことが今シーズン得点とアシストと、結果を出し続けられている要因になっているのだと思います。
◆プロサッカー選手を目指す子供たちの憧れの存在に!
プロキャリア一年目の岡本だが、現在チーム内で最多ゴール、最多アシストを記録している。最後にプロを目指す選手へのアドバイスと選手としての目標を伺った。
「どんなに苦しい状況でも、夢に向かって挑戦し続ける事が重要だと思っています。例えば試合に出られなくなったとしても、腐らずに目標に向かって努力し続ける。それが出来れば、必ず誰かが見てくれているはずですから、諦めずに努力し続ければ、夢が叶うチャンスは、必ず来ると僕は、信じていますし努力を続けて欲しいと思います。」
そして選手としての目標を語った。「結果を出す事で監督やチームメイトからの信頼を勝ち取ることができ、非常に充実したシーズンを送る事ができています。結果で大きく人生を左右されるのがプロサッカーの世界だと思っています。僕は、これからも結果を出し続け、レベルの高い国やリーグに挑戦していきます!そして、将来プロサッカー選手を夢見る、多くの子供達の目標や憧れになれるように、これからも努力し続けます」
東南アジアからの逆輸入というカタチでJリーグでプレーする日も近い未来なのかも知れない。