亡き主将への想い 腕章統一化のセリエA、フィオレンティーナに特例許可

試合後、応援してくれたファンへ向けて「DA13」が刻まれた腕章を掲げるペッセージャ photo/Getty Images

フィオレンティーナの選手たちの願いが、セリエA運営するレガ・カルチョに届いた。今後も亡き主将への想いが込もった腕章を巻いてプレイすることが可能になったようだ。

セリエAでは、今季からチームの主将が巻く腕章が統一された。しかし、ローマのダニエレ・デ・ロッシやアタランタのアレハンドロ・ゴメスなど、一部の選手はこのルールを無視し、昨季同様にオリジナルデザインが施された腕章を巻いてプレイしている。こういった状況もあり、第4節以降、ルールを無視したクラブに対して処分を下すとレガ・カルチョが発表していた。

これに対して猛反発したのがフィオレンティーナの選手たちだ。ローマやアタランタ同様に、今季の主将を務めるDFヘルマン・ペッセージャがオリジナルデザインの腕章をつけてプレイしていた。ただ、彼らには特別な想いがあった。昨季までフィオレンティーナの主将を務めていたダヴィデ・アストーリが、今年3月に心臓発作で急死。彼の意思を受け継ぐ選手たちは亡き主将への想いを込め、「DA13(イニシャルと背番号)」を刻んだ腕章を使用していた。そして、一部の選手たちは今後も継続して使用していく意識があることを明かしており、「もし罰金が科されるのならば、僕たちが払う」という選手が現れるほどだ。

しかし、レガ・カルチョもそこまで鬼ではなかった。アストーリの急死という背景があるフィオレンティーナに対して、特例としてオリジナルの腕章をつけてプレイすることを許可したという。伊『Gazzetta dello Sport』などが伝えている。アストーリの想いを胸に、開幕2連勝中のフィオレンティーナ(開幕節は延期)。亡き主将への想いを込めた腕章とともに、今後のさらなる活躍に期待がかかる。

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