「こくあまメロン」初出荷 トマトに続く看板商品に 長崎・たかしま農園で今年から店頭に

 甘さと濃厚な味が特徴の「フルーティトマト」を生産するたかしま農園(長崎市高島町)は、今年からメロンの出荷を始めた。新たな看板商品にしようと試作を始めて5年。トマトと同様甘さと濃厚さにこだわり、「こくあまメロン」と名付けた。8月から個人客向けの発送を始め、今月中旬からスーパーや百貨店などにも出荷、店頭に並ぶ。
 たかしま農園は同市の海運業、崎永海運が運営。2005年に旧西彼高島町からトマト事業を引き継ぐ形で始めた。ビニールハウスの面積は約1・5ヘクタール。水をできるだけ与えないスパルタ農法で育て、年間約60トンのトマトを出荷。販路は県内を中心に百貨店や大手スーパーに広がっている。
 同農園は2014年からアールスメロン系の品種を試作。トマトとは正反対の水分をたっぷり与える育て方を研究してきた。今年はトマトの収穫を終えた5月中旬から約0・3ヘクタールのハウスで栽培を開始。猛暑による生育への影響が懸念されたが、高島トマト事業部の木下静幸部長は「温度管理には苦労したが、難しい環境の中でまずまず順調に育った」と手応えを語る。
 こくあまメロンは1本の苗木で1個だけを育てており、出荷量は約2500個の見込み。糖度15度以上は「超こくあまメロン」(1玉2500円)のブランド名で出荷。同14度以上ながら網目の模様など外観や大きさに難があれば「まかないメロン」(同1500円)として販売する。
 トマトの実績から顧客の期待感が強く、出荷が始まる8月中旬には農園のファンクラブやインターネットからの注文が殺到。千件を超えたため、個人客の受け付けは中止している。木下部長は「反響は想定以上。たかしま農園の作物は甘くておいしいというイメージをつくるため、来年以降はもっと出来を高めていきたい」と話している。

収穫時期を迎えた、たかしま農園のメロン=長崎市高島町

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