第63回県展 きょう開幕 長崎県美術館

 長崎県内最大の美術公募展「第63回県展」(長崎県、長崎県教委、長崎県美術協会、長崎県文化団体協議会主催、長崎新聞社など後援)の実行委は15日、入賞・入選作を発表。最高賞の西望平和賞に、西海市大瀬戸町の林俊範さん(69)の日本画「憩う」が決まった。県展は16日、長崎県美術館で開幕する。

 今年の出品は前年より97点少ない1425点。このうち日本画31点、洋画88点、彫刻13点、工芸37点、書242点、写真234点、デザイン90点の計735点が入賞・入選し、同館で展示する。江副功実行委員長は「出品数は減少したが、裾野が広がり、層の厚みが出ている。多様な作品を楽しんで見てほしい」と話した。

 各部門の知事賞受賞作から選ぶ西望平和賞を射止めた林さんは「過分な賞をいただき光栄。いけすに止まったサギに見た、野生の緊張感を表現した。日本画の素晴らしさが伝わるとうれしい」と語った。

 洋画部門の40歳未満の新進作家に贈られる野口彌太郎賞は、県立佐世保東翔高3年の井上祥子さん(17)=東彼東彼杵町=が受賞した。受賞作は、教室の窓辺に座る友人を生き生きと描き、人の温かさを表現した油彩画「ヒカリ」。井上さんは「モデルになってくれた友人と受賞の喜びを分かち合いたい」と話した。

 長崎会場は30日まで。その後、佐世保、諫早各会場や移動展(壱岐、平戸各市)を開く。

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