WRC:トヨタ、タナクとラトバラが1-2形成。「彼らは難局をうまく切り抜けた」とマキネン

 9月15日、WRC世界ラリー選手権第10戦トルコは競技3日目のデイ3が行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing WRTのオット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)が総合首位に、僚友のヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)が総合2番手につけ、残り1日を残してトヨタ勢がワン・ツー体制を築いている。

 他に例がないほど荒れた路面コンディションによってマシントラブルが続出、結果として目まぐるしく順位が変わっていく今戦。迎えたデイ3のSS8~13では前日、総合4番手と5番手につけたラトバラとタナクをリードするティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)、セバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC)、アンドレアス・ミケルセン(ヒュンダイi20クーペWRC)の3名に次々とトラブルが襲いかかった。
 
 一方、上位陣が不運なアクシデントで姿を消していくなかタナクとラトバラは、マシンに過度の負担をかけないクレバーな走りで午前中に表彰台圏内に進出すると、午後には首位を走るマシンが後退したことでタナクが総合トップに浮上する。また、ラトバラが総合2番手となった。

「全体的にとてもポジティブな1日だったと思う。僕とヤリ-マティ(・ラトバラ)は大きな問題を抱えることなく走り、現在この順位につけているから順調だと言えるだろうね」と語るタナクはこの日、2本のSSでベストタイムをマーク。総合3番手につけたライバルを1分以上引き離している。

■マキネン「もはや“サバイバルラリー”だ」

 また、チーム代表のトミ・マキネンは「今日のような展開は、しばらくWRCではなかったと思う」と今戦の特殊性を強調した。
 
「とにかく色々なことが起こり、すべてのドライバーとクルマが困難な状況に見舞われている。また、高い気温と荒れた路面により、タイヤの摩耗に関してもかなり厳しい1日だったといえるだろう」

「もはや“サバイバルラリー”だと言えるが、我々は非常に良い位置につけている。ラトバラとタナクはここまでのところ難局をうまく切り抜けているね」

 SS10でスタック、ラリーへの復帰が叶わずデイリタイアとなったラッピについては「ペースノートの情報がやや楽観的過ぎたのでしょうか、ほんの小さなミスでリタイアとなってしまった」とマキネン。
 
「まったく新しいラリーのステージでは、このようなことが起こり得るんだ。明日は、最後までうまくいくように願っているよ」と続けたが、チームはその後ラッピ車の修復が難しいと判断。ラリー2規定での再出走を諦め、デイ3をもって今イベントからリタイアすることとなっている。

 ラリー最終日の16日は日中のサービスを挟まずにSS14~17の4SSが行なわれる。SSの合計距離は34.98kmで、最終SS17はステージタイム上位5台にボーナスポイントが与えられる“パワーステージ”に設定されている。

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