泣き相撲、どっちが勝ち? 伊勢原

 赤ちゃんに力強く泣いてもらうことで、健やかな成長を願う「一心泣き相撲 比々多場所」が17日、神奈川県伊勢原市三ノ宮の比々多神社で開かれた。

 全国の神社でつくる実行委員会が主催し、9回目。境内に約4メートル四方の土俵が設けられ、化粧まわしと紅白の綱、紙のかぶとを着けた生後6カ月から2歳半までの赤ちゃん70人が県内外から参加した。

 小さな力士たちは、東京農大の相撲部員に抱きかかえられて土俵入り。行司や部員が「うおー」と声を上げたり、顔を近づけて驚かせたりすると、赤ちゃんは「わー」「ぎゃー」と声を上げて泣いた。行司は「この勝負、行司預かりにて万歳楽」と唱え、各勝負を引き分けとした。

 1歳半の長女を連れ、初めて参加した同市田中の会社員の男性(42)は「時間がかかったけど、元気に泣いてくれた。健康で、思いやりのある子に育ってほしい」と願いを込めた。

 勝負を見守った禰宜(ねぎ)の永井武義さん(52)は、泣き相撲の風習を通して「赤ちゃんが心身とも健康に育ち、家族の輪が広がってほしい」と話していた。

赤ちゃんの大きな泣き声が響いた泣き相撲 =伊勢原市三ノ宮の比々多神社

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