四季折々、花の名所に 神奈川・松田、新たにハナショウブ植栽

 冬のロウバイ、春のしだれ桜に続き、梅雨を彩るハナショウブで神奈川県松田町寄(やどりき)地区に人を呼び込もうと、同地区の中津川河川敷で17日、「花菖蒲(しょうぶ)植栽セレモニー」が開かれた。主催の地域住民グループ「やどろき桜の会」(岡部昌典代表)は来年以降も植栽を続け、花による地域おこしに取り組む決意を新たにした。

 中津川の大寺橋たもとから下流の田代橋付近まで約1キロ、220本のしだれ桜が並ぶエリアを、新たにハナショウブの里とする「花菖蒲植栽プロジェクト」は、寄地区で活動するNPO法人「蜂の舞う里」(小出晧治代表)が発案。季節をつなぐ花のバトンをイメージし、20年ほど前に「桜の会」が植えたしだれ桜の並木で、腰ほどの高さまで生い茂っていた雑草を刈り取り、まずは大寺橋付近から300メートル付近まで桜の木を縫うように2~4メートル幅で整地した。

 町も協力して都立水元公園からハナショウブ約3500株を譲り受け、今月初めから植栽を開始。11日には町立寄小学校の全児童38人も参加し、高さ30センチほどのハナショウブをポットから取り出して植え替える作業に取り組んだ。

 セレモニーには、本山博幸町長や県議、町議を含め約30人が出席。岡部代表が「農業を続けるためにも観光で人を呼ばなければ」、本山町長も「新たな観光拠点へ、ハナショウブで勝負する。町もしっかり支えます」とあいさつ。参加者も「桜を見に来た人が『ハナショウブも見たい』と思ってくれれば」と口々に期待を語った。

 ショウブ園の開園を祝うテープカットの後、来賓と参加者でハナショウブを30株ほど植え、今年の植栽の締めくくりとした。順調に生育すれば来年の梅雨にも花を咲かせる見込みだ。

本年度の最後のハナショウプ植栽を行う参加者たち。手前は町立寄小学校の児童が植えたエリア=松田町寄

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