『スカイスクレイパー』 「ロック様」が見せる、超高層での超人的アクション

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 ザ・ロックことドウェイン・ジョンソン主演のアクション映画だ。彼の主演映画には、意外にも大きな“外れ”がほとんどない。企画の“選球眼”がいいのか、『ウィッチマウンテン/地図から消された山』『オーバードライヴ』『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』など良作も多く、常に一定の水準をクリアしている。本作もそうだ。

 今回演じるのは、かつてはFBI人質救出部隊のリーダーだったが、ある事件で義足になって退き、今はビルの危機管理コンサルタントとして働く良き家庭人。その彼が、香港の高さ1000m、240階建ての超高層ビルを舞台に、家族を救うべく命懸けの奮闘を見せる。だから、どうしても『ダイ・ハード』(1作目)を思い出させる。

 けれども、当時のブルース・ウィリスと比べて“生身感”が少ないザ・ロックの個性を生かすため、アクションはリアリティーではなく、より超人的な方向へと舵を切ることになる。よって、自ずと重力を用いた高層階での窓外のアクションが重要な見せ場となるわけだ。さらに、義足など本来の役割とは異なる小道具の使い方も、ジャッキー・チェンとまでは言わないが、意外性があって面白い。要するに本作は、21世紀版『ダイ・ハード』ではなく、“無敵のロック様”映画なのである。★★★☆☆(外山真也)

監督・脚本:ローソン・マーシャル・サーバー

出演:ドウェイン・ジョンソン、ネーヴ・キャンベル、チン・ハン

9月21日(金)から全国公開

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