フォース・インディアF1代表、チームメイト同士の接触を受けチームオーダー再導入を示唆

 F1シンガポールGPのオープニングラップで起きたセルジオ・ペレスとエステバン・オコンによる“受け入れがたい争い”を受けて、フォース・インディアのチーム代表オットマー・サフナウアーは、ドライバーを制するためにチームオーダーの再発令も辞さないと述べている。

 フォース・インディアは予選では着実なパフォーマンスを見せ、決勝レースでの好結果が期待されていたが、その見込みはあっという間に潰えてしまった。

 ターン3進入でのポジション争いで、オコンはコーナー中盤で近づいてきたペレスにスペースを奪われた。チームメイトとウォールに挟まれたオコンは行き場を失い、2台のマシンは接触を喫している。

 ペレスはレースを継続できたが、オコンはその場でリタイアとなった。オコンはすぐに苛立ちを露わにしたものの、事故についてコメントするのを渋った。

「何が起きたかを分析するつもりはない。僕は素晴らしいスタートを切り、大きなチャンスにも恵まれた。チェコの外側へまわり込んだ次の瞬間に感じたのは、衝撃だった」とオコンは語った。

「僕たちは素晴らしいペースを発揮していて、最高の週末になるはずだった。でもこうして、今週末はポイントを獲得できなかったと話をしているわけだ」

 ペレスはレースを下位で終えたが、クラッシュについてより詳しい考えを明らかにしている。彼はまた、34周目にもぎこちない動きをしてウイリアムズのセルゲイ・シロトキンに接触し、ドライブスルーペナルティを科された。これによって彼のレースは台無しになってしまった。

「あれはとても不運なインシデントだった。避けることが非常に難しいケースのひとつだ。速度を出していたら1台のマシンに接触した。それがエステバンだということに気づきもしなかったんだ」とペレスは話す。

 しかしながらチーム代表のサフナウアーは、ドライバーたちの振る舞いに感心していない。彼はペレスがオコンに必要なスペースを与えなかったと考えており、はっきりとペレスに責があるとしている。

「ランオフエリアがない場所で、彼らがあのように接触したことは受け入れがたい」とサフナウアーはSky F1に語った。

「彼らは互いにスペースを与えなければならない。チームはいかなる個人よりも重要なものだ。我々は、昨年彼らに対して課したルールを再度導入せねばならないだろう」

「もし彼らがこうしたことを続けるつもりなら、我々はここからコントロールしていかなければばならない。一旦マシンに乗り込んだら、行動を抑制するのは難しい。だが前もってコントロールすることなら可能だ」

 Skyのクルーとインシデントの映像を見たサフナウアーは明らかに不満の様子で、ペレスに責任はないとするつもりはないようだった。

「見たところ左側には十分なスペースがあった。チームメイトには十分なスペースを与えなければならない。これがチームメイトではなく誰か他のドライバーだったら、レーシングインシデントだ」

 チームが今後どう対処するのかについて尋ねられたサフナウアーは、昨年にふたりのドライバーが数回コース上で諍いをおこしたときに課したルールを、再度発令する可能性があることを示唆した。

「ルールの導入から1年以上が経つ。昨年のバクーで諍いがあり、スパのあとでルールを課した。スパからこれまでは争いはなかった。だから昔のルールを戻すことにする」

「彼らには1周目からレースをすることを許していたが、過去には許可していなかった。これからは許可しない。もし彼らがこのようなことを1周目でも続けるのなら、彼らを分け隔てるための他の手立てがある。実行しないですむことを願っているがね」

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