3人×4チーム=計12人の男性声優がアニメキャラに扮してラップバトルを繰り広げるという『ヒプノシスマイク』の第6作目。本作収録の5トラック中、後半2つは合計55分超のドラマだが、ここではダウンロードも人気の前半3曲について語ってみたい。
1曲目の『BATTLE BATTLE BATTLE』は、シブヤを拠点とするFling Posseとシンジュクを拠点とする麻天狼が互いをディスり合うという内容。
現実のバトルは、ダミ声や怒声の印象が強いのに対し、本作では、軽薄キャラで素っ頓狂に高い声や低音のイケメンボイスなど、各男性キャラが分散しており、相手を攻撃しているのにどこか愛らしい。それでいて、作詞を大御所ラッパーのKEN THE 390が手掛けており、各声優が次々と韻を踏んでいく様子も本格的。通常のアニメにもヒップホップにもない不思議な魅力があり、これは立派な“発明”だ。
カップリングは、明るいシブヤと、妖しげなシンジュクの持ち味を活かしたラップを披露。こちらもAFRO PARKERやラッパ我リヤなど実力派が制作している。本シリーズの楽曲を聴けば、日頃から意外な組合せを楽しみたくなるはず。
(キング・1852円+税)=臼井孝