セクハラ疑惑で不信任決議、辞職せず議会を解散するも2度目の不信任決議で自動失職。みなかみ町長・前田善成(まえだ よしなり)氏の経歴は?

群馬県みなかみ町の前田善成(まえだ よしなり)氏が町議会からの2度目の不信任決議を受けて9月19日、町長から自動失職しました。

前田氏は女性に抱きついたりキスをしたりしたとするセクハラ疑惑に関して7月27日に町議会から不信任決議を受けていましたが、自身の辞職ではなく議会の解散を選んだため、9月9日にみなかみ町議会議員選挙が行われました

その町議選では、前田氏に対して批判的な立場の議員が多数となる結果となったため、前田氏は9月10日に「町議選の責任を取る」と辞職願を出していました。9月18日、町議選後最初の議会が前田氏の辞職願を受理するかどうかを審議する前に、緊急動議がなされ議会が不信任決議案を可決したため、今回、前田氏は自動失職することとなりました。

なお、前田氏はキスをしたことは認めた上で、女性からの好意があったと認識しておりセクハラ的なものではないと主張しています。

みなかみ町議会議員3期を経て、みなかみ町長へ

前田善成氏は1967年8月21日の生まれで現在51歳です。県立沼田高等学校を卒業後、八戸工業大学工学部建築工学科に進学。同大学を卒業後、1991年に前田設備(有)に入社しています。1995年に(株)前田設備・代表取締役社長に就任しました。

その後、2006年のみなかみ町議会議員選挙に立候補し、616 票を得て初当選。2010年の同選挙では770票を得て再選、2014年には595票を得て3選を果たします。地域活性化対策特別委員長、産業観光常任委員長などを歴任。2016年には高崎経済大学大学院・地域政策研究科地域政策専攻博士前期課程を修了し、2017年にみなかみ町長選挙に立候補し、5,779 票を得て初当選を果たしました。

不信任決議案を受けて議会を解散。再び不信任決議を受けたため失職

みなかみ町議会は7月27日、セクハラ疑惑を受けて、町長の不信任決議案を可決しました。

地方自治法の規定では、議会が長に対する不信任決議案を可決したとき、町長は議会を解散するかしないかを選ぶことになります。町長が議会を解散した場合、40日以内に議会議員選挙が行われます。なお、議会を解散しない場合、長は失職することになります。そして、この出直し町議選が行われたのち、初めて招集された議会でまた町長に対する不信任可決案が可決されると、町長は失職することとなります。

不信任決議案を受けて前田氏は8月6日、町長の辞職ではなく議会を解散することを選んだため、町議会は解散され、9月4日告示・9月9日投開票で町議会議員選挙が行われました。この町議選には前田氏が支援・擁立する候補も立候補しましたがその多くが落選。前田氏はその責任を取るとして9月10日、辞職願を出していました。

9月18日、町議選後初めて招集された議会に前田氏は同日付で辞職する辞職届を議会に出しましたが、その審議の前に議会で再び町長に対する不信任決議案が可決されたため、町長は失職することになりました。

前田氏の失職にともなう次の町長選は10月23日告示、10月28日投開票で行われる予定です。

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