戦略特区の「地域限定保育士」、合格者の県内就職は約半数

 保育士不足の解消を狙い神奈川県が独自に行っている地域限定保育士試験で、合格後に県内で勤務しているのは約半数にとどまっていることが20日、明らかになった。

 県次世代育成課によると、国家戦略特区を活用し、昨年度、年2回の全国試験に加え3回目の試験を県独自に実施。278人が合格したが、合格者を対象に今年4月に行ったアンケートで、県内で保育士として就職した人が約4割、保育士資格を生かした仕事に就いた人は約1割だった。

 地域限定保育士試験は、合格後3年間は就職先が県内に限定される制度。残る5割は勤務条件が合わないなどの理由で就職していなかったことから、県は本年度、就職セミナーの実施を決めた。保育士資格を持つコーディネーターが面談を行い、マッチングを図るという。

 黒岩祐治知事は、県内市町村の保育士優遇策を紹介するなどきめ細かく対応していくとし、「保育士を確保することで、待機児童の解消を実現していく」と述べた。

 同日の県議会本会議で、山口貴裕氏(自民党)の一般質問に答えた。

待機児童解消が神奈川でも課題となっている(イメージ写真)

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