【平成の長崎】タケノコの出荷量激減 台風で竹林被害 長崎 価格も伸びず農家落胆 平成6(1994)年

 県内最大のタケノコ産地、長崎市茂木地区でタケノコの出荷がピークを過ぎようとしているが、今年は例年を大幅に下回る不作となり農家は頭を抱えている。
 同地区は例年、県内産の約9割に当たる80-100㌧を生産。「長崎タケノコ」のブランドで主に関東、北陸に出荷している。ピークは毎年3月下旬から4月上旬。
 ところが今年は、昨年9月の台風13号で遭った竹林被害の影響で、長崎農協茂木支所の出荷量(4月11日現在)は、前年同期の51㌧から20㌧へと半分以下に激減。出荷はあと1、2回の予定だが、同じく台風被害で激減した平成4年の42㌧を下回るのは必至とみられる。
 これに対し期待の市場価格はキロ400円前後とちょっぴり高いだけ。生産農家は「輸送費などの実費を差し引くと、収入は例年の3割にも満たないのでは」とあきらめの表情も見せている。(平成6年4月14日付長崎新聞より)
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【平成の長崎】は長崎県内の平成30年間を写真で振り返る特別企画です。

台風被害により不作の県内産タケノコ

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