防災講演や研修体験 横浜で水道フェス 地元住民ら800人が学ぶ

 身近な水道事業の大切さなどを紹介する「中村すいどうフェスティバル」が22日、横浜市南区中村町の市水道局中村ウォータープラザで開かれた。地元住民ら約800人が訪れ、水道施設の維持管理の仕組みなどを学んだ。

 イベントは同局主催で、本年度で4回目。災害対応力の強化を兼ねて配管や漏水修理の技能向上を図るため昨年度に整備された研修エリアが公開され、住民が職員と一緒に漏水時に発生する微音を調べたり、送水管の水圧や応急給水法を体験したりした。

 また、東日本大震災を経験した元宮城県気仙沼市役所危機管理監の佐藤健一さん(65)の防災講演を開催。佐藤さんは課題となった迅速な避難を促す情報伝達について、「震災後、住民から『背中を押してもらえるような呼び掛けをしてほしかった』と言われた。地震の規模など初期情報は不足していたが、『逃げろ』と厳しい言い方が良かった」と振り返った。

 市水道局は1995年の阪神大震災を契機に施設の耐震化に取り組んでいるが、水道管の耐震化率は25%にとどまっている。会場では飲料水の備蓄目安として「1人1日3リットル、最低3日分で9リットル以上」を呼び掛けていた。

東日本大震災の津波被害を紹介した元気仙沼市職員の防災講演=横浜市南区中村町

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