古民家で楽しむ中秋の名月 川崎・日本民家園

 「中秋の名月」の24日、川崎市多摩区の生田緑地にある日本民家園などで「お月見」にちなんだ催しが行われた。雲が多く、あいにくの空模様だったが、親子連れらは古民家に飾られた十五夜飾りなどを楽しんだ。

 かわさき宙(そら)と緑の科学館との共同行事で、この日は開館時間を午後8時まで延長。国指定重要文化財のわらぶき屋根の古民家「旧佐々木家」前で民家園や科学館の職員が月の満ち欠けや十五夜について説明した。

 民家園の渋谷卓男園長は、月見が農業に密接に関わっていると解説し、「収穫への感謝の意味も込めて芋をお供えするようになり、芋名月とも呼ばれる」などと説明した。

 4棟の古民家には、ススキや月見団子、芋などの十五夜飾りが展示され、昔のいろりの明るさだけで過ごす「昔の灯(あか)り体験」も合掌造りの民家で行われた。参加者はゆらめく影に、昔の暮らしぶりを想像していた。

 同区在住の小学5年生(11)は「暗かったけれど真っ暗ではなく、暖かかった。昔の人の生活が分かった気がする」と話していた。十五夜飾りは30日まで、「旧北村家」で展示されている。

旧佐々木家に飾られた十五夜飾り=川崎市多摩区の日本民家園

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