鉛・クロムフリー塗装のカラーC形鋼・角パイプ、日鉄住金建材が拡販 準仕様書改定に対応、業界初の全面切り替え

 日鉄住金建材(社長・中川智章氏)は21日、カラーC形鋼・カラー角パイプの使用塗料を鉛・クロムフリーのJISK5674認証品へ全面的に切り替えたと発表した。日本建築学会の「建築工事標準仕様書JASS6鉄骨工事ならびに関連指針」(JASS6)の改定により、従来品(K5621)が鉄骨の下塗り塗装から削除されたことに伴うもので、全面的な切り替えは業界初。同社では今後、JASS6に適合した新製品を積極的に拡販していく。

 JASS6の改定ではK5621が削除され、鉛・クロムフリー錆止めペイントであるK5674が推奨された。同社ではこれに対応するべく、関西ペイントの協力を得ながら温度条件の検討やライン速度のトライアルを実施。設備投資を行わずにかつライン速度を維持しながら切り替えを実現した。

 今年6月半ばから切り替えを開始し、8月半ば以降の製造分は全面的に新塗料使用品となっている。塗装色は従来の赤錆色、ライトグレー色に加え、新たに西日本でニーズの高いダークグレー色を追加した。

 カラーC形鋼は赤錆色を野木(栃木県下都賀郡)、大阪(大阪府高石市)、戸畑(福岡県北九州市)の3製造所で製造。ライトグレーは野木、ダークグレーは大阪で対応する。また、カラー角パイプは赤錆色を仙台(宮城県仙台市)、広畑(兵庫県姫路市)の各製造所で製造し、ライトグレーは仙台、ダークグレーは広畑で対応する。色味は品種・製造所で差異が生じないよう統一した。

 さらに、工場生産する壁パネルなどに用いる塗膜厚30マイクロメートルのカラーC形鋼はニッケン鋼業滋賀事業所で昨年から生産。赤錆色とライトグレーに対応している。

 ただ、新塗料は防錆性やサイクル耐食性が向上するなどグレードが上がっており、調達費用などのコストアップが発生している。日鉄住金建材では安定生産体制を確立した後に、エキストラ改定など価格転嫁を図っていく方針。

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