地域レベルで子どもの貧困問題などに取り組もうと、講演会「子どもの生活と声を知る~鶴見からはじめよう~」(NPO法人サードプレイス主催)が24日、横浜市鶴見区で開かれた。子どもの貧困対策センター「公益財団法人あすのば」(東京都)の小河光治代表が、相対的貧困が7人に1人という子どもの現状を解説。参加者は、子どもの居場所づくりなど同区での取り組みを議論した。
同区は、貧困問題のほか、外国につながりがある子どもたちの日本語習得の問題など、子どもに関する課題を多く抱えている。サードプレイスでは、子どもの居場所づくりや支援団体のネットワーク化などの支援に取り組んでおり、講演会には教員や民生委員、支援団体関係者ら約60人が参加した。
講演で小河さんは、生活保護世帯などの子どもたちを対象にあすのばが昨年実施した「1500人アンケート」の結果を紹介。7割が経済的理由で塾、習い事を断念し、高校1年生の3分の1がアルバイト経験があり、賃金の使途は学校の費用が33%、生活費が15%だった。小河さんは「サービスの給付に加え、入学・新生活への応援給付金など、現金の給付も非常に重要」と述べ、支援拡充の必要性を訴えた。また、「本当につらい状況にある子どもたちほど、声を上げられない」と指摘し、子どもたちの状況を知る努力を呼び掛けた。
また、内閣府の担当者から、地域のNPOなどを支援する「子供の未来応援基金」など、政府の施策の説明も行われた。
サードプレイスの須田洋平代表は「区内の支援団体のネットワークをつくり、小学校区に1カ所以上、子どもの居場所をつくっていきたい」と抱負を語り、協力を呼び掛けた。