平塚80歳女性殺害、被告に無期判決 地裁「動機身勝手」

 神奈川県平塚市の住宅で昨年2月、1人暮らしの女性が殺害され現金などを奪われた事件で、強盗殺人などの罪に問われた被告の男(24)=東京都大田区=の裁判員裁判の判決公判が25日、横浜地裁であった。青沼潔裁判長は「尊い一命が奪われた結果は重大で、犯情は重い」として、求刑通り無期懲役を言い渡した。

 青沼裁判長は判決理由で、インターネットのサイトで仲間を募り殺害を依頼してきた男=当時(49)、事件後に病死し不起訴=からの報酬目当てに被告が計画に加担したと認定。「人命より利欲を優先させる生命軽視の身勝手な動機で、厳しい非難は免れない」と述べた。

 さらに、宅配業者を装う当初の計画が失敗後、ただちに寝込みを襲う計画に切り替えた点も、「強い犯意と計画性が認められる」と指弾。「ネットを通じて実行役の共犯者を募集し、犯行時には被害者の身体を押さえつけるなど、重要で不可欠な役割を担った」とし、無期懲役から減軽する理由はないとした。

 判決によると、被告は病死した男や、ネットで勧誘した無職の男(23)=強盗殺人罪などで起訴=と共謀し、昨年2月21日未明、平塚市札場町の女性=当時(80)=宅に侵入、女性の首を絞めて殺害し、現金約20万円や交通系ICカードなどを奪ったほか、同11日には同市内の別の住宅へ押し入り、男性(74)に暴行を加えてけがを負わせ、現金30万円を奪うなどした。

横浜地裁

© 株式会社神奈川新聞社