GlobeScanとサステナブル・アパレル連合が協働プログラムをスタート

Images taken from a Sustainable Apparel Coalition video

サステナビリティに関する調査・コンサルタントを事業とする調査会社のGlobeScanと、サステナブル・アパレル連合(SAC)は、消費者にHiggインデックス(※注1)への関心を持ってもらうように、パートナーシップを結び、広報に関するガイドラインやツールを開発していくことを発表した。(翻訳=梅原洋陽)

HiggインデックスはSACの主要なツールで、アパレルや靴、繊維業界からの不必要な環境へのダメージを減らすことを可能にし、一般市民にも恩恵を与えるツールである。

連合の様々な団体の協力によって開発されたこのツールは、あらゆる規模のブランド、小売店、工場のすべてのステージにおける環境パフォーマンスを正確に測定し、評価することができる。

Higgインデックスは企業が工場職員の生活の質を守り、工場のあるコミュニティ、そしてその周囲の環境を改善するための包括的なツールである。

GlobeScanはSACのメンバーと連携し、消費者が商品やブランド、そして工場のどのようなサステナビリティに関する情報を求めているかを見抜く、グローバルなアプローチを探求していく。

そして、異なるチャンネルや情報が、どのように消費者の購買活動に影響するかも調査し、将来、消費者がどのように買い物を行い、情報を入手していくかも予測していく。

多くのブランドにとって、信頼とコミュニケーションを対象として調査するこの研究は、重要なものになるだろう。

多くの人々は、グローバル企業が社会の利益のために活動するとはあまり信じていない。アパレル業界のバリューチェーンは、社会的責任や環境に与える影響という観点から、厳しい視線を向けられているのだ。

「SACに所属するメンバーが、消費者と最も効果的な方法で、コミュニケーションを取れるようになることを望んでいます。私達の研究から、透明性が信頼を再構築するには最重要だと分かっていますが、半数以上の消費者は、企業の社会や環境に対する取り組みに懐疑的です。多くの消費者は、人々や地球にとって、良い選択をしたいと考えています。この研究は、彼らにとっても有益なものとなるでしょう」とGlobeScanのディレクターであるキャロライン・ホルム氏は語った。

GlobeScanの実施した、マークス&スペンサーの透明性に関する研究は、消費者がよりサステナブルな選択をする助けになる情報や教育が必要だと報告している。

「SACの根幹にあるのは、コラボレーションすることです。消費者がブランド、小売店、工場からより透明性のある情報を得ながら、意思決定を行えるようにしていきたいです。GlobeScanと重要な研究を共に実施できるのは大変貴重です。新たなガイドラインとツールを作り出すことで、消費者がよりサステナブルな生活を送る手助けとなるはずです」とSACのCEOであるジェイソン・キベイ氏は述べた。

※注1:Higgインデックス:繊維業界のサプライチェーン全体のサステナビリティパフォーマンスの測定を行うツール。

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