検察、懲役20年求刑/中国人女性殺害/「強固な殺意あった」

 相模原市南区のマンションで2010年7月、交際相手の中国人女性を殺害した後、逃亡資金を得る目的で知人男性から現金を脅し取ったなどとして、殺人や強盗、恐喝などの罪に問われた被告の男(46)の裁判員裁判の論告求刑公判が25日、横浜地裁(渡辺英敬裁判長)であった。検察側は「強固な殺意があった」として懲役20年を求刑、弁護側は無罪を主張し結審した。判決の言い渡しは10月10日。

 公判は、被告の殺意の有無などが争点。被告は、被害女性が先に包丁を持ち出して襲ってきたため、無我夢中のうちに首を絞めたなどと主張していた。

 検察側は論告で、女性の遺体に残された痕跡などから、「背後から首を強く締め付けたことは明らかで、確定的な殺意が認められる」と指摘。「死人に口なしで、不都合なことはすべて被害者に転嫁し、自己中心的で強い非難に値する」と述べた。

 弁護側は「被告は必死で反撃している状況で、無我夢中でパニック状態に陥っていた」として殺意を否定したほか、正当防衛が成立するとも反論。男性への強盗や恐喝についても、自主的に金を貸してくれただけとした。

 起訴状によると、被告は10年7月2日、同区のマンション一室で、この部屋に住む女性=当時(40)=の首をひもで絞めて殺害。同16~23日には知人男性宅に押し入って刃物を突き付けるなどし、現金計約125万円を奪った、とされる。

横浜地裁

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