「子どもの孤独をなくす」 南島原で子育て講演会 コーチングNPO代表の馬場さん「未来に向けた会話しよう」

 東京のNPO法人「トラストコーチングスクール」代表、馬場啓介さん(38)=東京=が22日、長崎県南島原市内で「子どもの孤独をなくす」と題し講演。子育て中の母親ら約200人に「自分や周囲を大切にし、未来に向けた会話をして」と訴えた。

 同法人はコミュニケーションの質向上を目指す講座を開いており、馬場さんは昨年出版された絵本「鏡の中のぼく」の文章を手掛けた。少年が鏡の中の自分と対話する中で、自分を大切にする気持ちの重要さに気付く物語。絵本の内容を紹介しながら講演した。

 馬場さんは、「心配事が多いと心を配りすぎ、心がなくなるため、忙しくなってしまう。不安や孤独は伝染する」と、漢字の「忙」のりっしんべんを心に、つくりの「亡」をなくすと分解し持論を展開。「鏡の中で自分と対面するイメージだと不安や愚痴が募り、立ち止まった状態になってしまう。もう一人の自分の横に立ち、同じ未来の方向へ歩きながら対話してほしい」と呼び掛けた。

 孤独を減らす方法として、「新しい経験や人との出会いを重ねて自分を知り、自分や周囲の大切な人をきちんと大切にして、『どんな未来を描いて何をしていくか』という会話を増やすといい」と強調した。

 南島原市教委が毎年開く「すこやか子育て講演会」の一環で招いた。南島原市内小中学校や図書館のために馬場さんが絵本を寄贈した。

「自分や周囲の人を大切にして」と話す馬場さん=長崎県南島原市、ありえコレジヨホール(山本健一郎さん提供)

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