神奈川県立教員75人、精神疾患で休職 県教委が対策強化

 県教育委員会は25日、県立学校で昨年度にうつ病などの精神疾患で休職した教員は75人だったと明らかにした。不調者の早期発見に向けたストレスチェックの今年の受検率も76%にとどまっており、桐谷次郎教育長は「ストレスチェックの実施に努めるとともに、管理職に結果の効果的な活用方法などの研修を行うことで、対策を進めていく」と述べた。

 県教委によると、昨年度に精神疾患で休職した教員は、傷病を理由に休職している教員の73%に上った。過去5年間でも毎年70人前後が心を患い、教壇に立てていないという。

 県教委では、2015年度から全県立学校でストレスチェックを実施。仕事量の多寡や上司・同僚の支援の有無などを尋ね、ストレス因子の分析を行ってきた。

 だが、「これまではデータの活用といったところまではいってなかった」と県教委厚生課。そこで対策を一歩進め、学校長から全教員への働き掛けを強化して受検率を引き上げるとともに、集計結果を学校ごとに分析。その上で専門家を派遣し、各校の傾向に沿って職場環境の改善につなげる。

 教育現場を巡っては近年、精神の変調につながる過重労働が深刻化。県教委が昨年行った勤務実態調査で、時間外労働が月80時間超の「過労死ライン」の水準に相当する教員の割合が高校約3割、中学校約7割、小学校約4割に上っている。

 同日の県議会本会議で米村和彦氏(立憲民主党・民権クラブ)の一般質問に答えた。

神奈川県庁

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