天を突く湯柱 半月に1回源泉噴出

 長崎県雲仙市小浜町の小浜歴史資料館で半月に1回、源泉の井戸から温泉が高さ20メートル以上に噴出する豪快な「湯柱」が上がる。県内では同資料館でしか見られない光景で、隠れた名所となっている。
 同資料館は、江戸時代に小浜温泉の基礎を築いた本多湯太夫の元邸宅。地下約90メートルまで掘られた井戸から115度の温泉が自噴し、近隣施設に供給されている。
 配管の内部に付着した「湯の花」と呼ばれる炭酸カルシウムを除去するため、17日周期で清掃。配管の中にドリルを入れて湯の花を削り落とした後、空気を送り込んで爆発的な噴出を起こし、湯の花を外に吹き飛ばす。この噴出が湯柱だ。
 「ゴオン」と豪快な音とともに、青空に向かって噴き出す。何度か噴出を繰り返すと、10メートルほどの高さに落ち着く。「今日も元気ですね」。地球の息吹を確かめるように作業員が目を細めた。
 10月は8、25日に予定。湯柱が見られるのは午後3時ごろ。問い合わせは同資料館(電0957・75・0858)。

勢いよく噴出する「湯柱」=雲仙市、小浜歴史資料館

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