修学旅行費紛失、1カ月報告せず 茅ケ崎・浜之郷小学校

 神奈川県茅ケ崎市教育委員会は26日、市立浜之郷小学校(同市浜之郷)で、6年生から集めた修学旅行費の一部約15万円を紛失したと発表した。8月下旬に紛失を把握した同校は市教委に1カ月近く報告しておらず、外部の情報提供を受けた市教委が確認して発覚した。市教委は学校側の隠蔽(いんぺい)の意図を否定し「校長は『教職員を疑いたくない意識があり、報告できなかった』と話している」と説明している。

 市教委教育指導課によると、同校は7~8月、6年生3クラスの児童109人から修学旅行費を集金。職員室の各担任の机や校長室の金庫など計5カ所に保管していたが、8月24日にまとめて銀行に振り込もうとした際、9人分不足していることが分かった。

 校内を捜したが見つからなかったため、校長が不足分を立て替え、9月17、18日に修学旅行を実施。校長は教職員に紛失を口外しないよう指示していた。

 9月21日に市教委が同校に確認し、紛失が判明。同校は同日、茅ケ崎署に被害届を提出した。同課によると校外から侵入した形跡は見当たらないという。

 また同校で8月下旬、毒劇物取締法で劇物に指定されている理科薬品のメタノールの使用状況が約2年間、台帳に記入されていないことなども分かった。神原聡教育長は「信頼を大きく損ねる結果となり、大変申し訳ない」と陳謝、今後は厳重な管理に努めるなどとした。

茅ケ崎市立小学校での修学旅行費紛失を受けて、頭を下げる(左から)神原教育長、服部市長、夜光副市長=茅ケ崎市役所

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