ヨロズ、大分で大型プレス機稼働 内製化や超ハイテンに対応

 自動車部品大手のヨロズ(本社・横浜市)は、九州の生産拠点であるヨロズ大分(本社・大分県中津市)で今月末にも1200トンブランキングプレス機を、来月末にも3500トントランスファープレス機を稼働させる。新鋭の大型プレス機で、内製化や超ハイテン(高張力鋼板)の成形に対応する。

 これまでヨロズ大分では大きな鋼板の加工は外注し、これを持ち込むことで仕上げてきたが、大型プレス機の導入により日産自動車のエクストレイル向けを自前で一貫生産できるようになる。また軽量化対応で使用が増えている超ハイテンの加工で生じやすいスプリングバッグに対し成形性を高めるのも狙い。

 同社にとり3500トンのトランスファープレス機は国内最大。部品の投入はロボットで行う画期的な無人化技術も投入している。

初のダイムラー向け、メキシコで生産開始

 ヨロズは、8月からメキシコ拠点のヨロズ・メヒカーナ(YMEX)でダイムラー向けサスペンション部品「リアクレードル」の生産を開始した。ヨロズにとり、初のダイムラー向け部品供給となる。

 採用されたのはメルセデス・ベンツAクラスセダン向けで「製造プロセスは似ているが従来と設計思想が全く異なる」(佐藤和己副会長兼CCO)部品。YMEXにダイムラー用の新ラインを導入し、レーザーとMAGを組み合わせたレーザーハイブリッド溶接で強度を高め鋼材も軽量化した。

 溶接部分はレーザーで自動測定するビードチェックなど自動化技術を盛り込んでいるほか、ショットブラストする従来にない加工も行っている。

 ダイムラーは日産自動車と折半出資するアグアスカリエンテスの合弁工場、COMPAS(コンパス)でメルセデスベンツブランドの車両生産を行っている。

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