【平成の長崎】島原・復興にKISS 感謝や喜びを表現 平成7(1995)年

 純白の壁に、階段に、鮮やかに浮かぶキスマーク。ホテル全体に広がるこれらは、種も仕掛けもなく、1人の女性アーティストがその数だけ“キス”をした作品。
 佐々木恭子さん(34)=福岡市=。「被災地を見学後、美しいわき水がとてもいとおしく見えた。私たちはたまたま生かされている。そう感じたら、体で感謝や喜びを表したくなった」。
 化粧品メーカーが口紅を1700本を寄贈。これを使い、オープニングではほかのアーチストや来場者も思い思いの場所に“記念キス”をした。
 老若男女、議員もマスコミ関係者も、紅をひいて恥じらいながら「チュッ」。心なしか華やいで見えるのは、キスの持つ魔力か。人を元気にする魔力。これはまさに、これからの島原に必要な力かも。
(平成7年8月4日付長崎新聞より)
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【平成の長崎】は長崎県内の平成30年間を写真で振り返る特別企画です。

一回ごとに口紅を塗ってはチュッ。キスの魔力で復興パワーを!

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