【平成の長崎】ワン・ツーパンチ 婦警さん特訓中 平成7(1995)年

 長崎市小江原町、長崎県警察学校の課外授業のボクシング部に、今年初めて婦人警官12人が入部、男性警官に交じって警官として必要な敏しょう性や反射神経を鍛えている。学校や指導者は「成果は第一線できっと役立つ」と期待している。
 長崎県警察学校は授業で柔剣道、逮捕術、けん銃を教えている。課外授業は体育、文化両クラブに必ず入部することを定めている。ボクシング部は30年前に創設。これまで交通巡視員の女性が所属したことはあったが、実質的活動をしたことはなかった。
 今年4月、初任科短期、長期、特別課程合わせて48人(うち婦警27人)が入校、婦警12人が入部した。練習は毎週木曜日。ストレート、フック、アッパーの素振りやミット打ち、サンドバッグへのワン・ツーパンチなどで汗を流す。簡単なスパーリングも。
 創部以来、講師を務めている長崎市弥生町の自営業、岡野浩三さん(60)は「女性が入部すると聞いてびっくりした。ボクシングで鍛えた反射神経や相手との間合いの感覚は、逮捕術や護身術に必ず役立つ」と期待。初任科長期課程第39期生の吉本加奈巡査(20)は「力では男性にかなわないので、かわす技術を身に着けようと思い入部した」と話した。
(平成7年8月5日付長崎新聞より)
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【平成の長崎】は長崎県内の平成30年間を写真で振り返る特別企画です。

サンドバッグにワン・ツー・パンチを打ち込み汗を流す新米婦警=長崎県警察学校

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