極彩色の風 和華蘭 長崎くんち・4  小川町・唐子獅子踊 愛らしさと迫力の対比

 四番町は小川町「唐子獅子踊」。踊(おどり)馬場を唐子が清め、取り合わせが良いとされる「牡丹(ぼたん)と獅子」でお諏訪に幸せを招く-。
 小川町は1963年まで存在した旧町名。現在は長崎市上町、恵美須町、金屋町、桜町に分割されている。長崎くんちでの奉納は33年以来途絶えていたが、97年に復活。以降、シャギリや竹ン芸囃子(はやし)なども継承する「中尾獅子浮立と唐子踊保存会」(井手重義会長)と協力し、奉納を続けている。
 今回、獅子頭二つの寄贈を受け、親獅子2匹のうち1匹の頭として使用。頭を手掛けたのは、諏訪神社(上西山町)の禰宜(ねぎ)を33年間務めた浅間神社(西海市崎戸町)の宮司、嬉野紀孝(としたか)さん(69)。小川町が踊町として復活した時のことを「小さい町なのによく奉納したと感動した」と振り返る。趣味の能面打ちを生かし、役に立てないかと3年前から制作。「頼まれたわけではないが、何かしたいなという気持ち」と照れ笑いを見せ「やって良かった」と話す。
 奉納には親獅子のほか仔獅子1匹が登場するが、雌雄や親子関係は決まっていない。総監督の中山正道さん(56)は「見る人が決めていい。好きに感じてほしい」と語る。迫力ある獅子と愛らしい唐子が桟敷を沸かせる。

中尾地区が継承する「唐子獅子踊」=長崎市田中町、中尾中央公民館

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