「恥を知れ!ベッカム」批判殺到

「法の穴」弁護士手腕で違反おとがめなし

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太田清

共同通信大阪支社統括整理部長

太田清

共同通信大阪支社統括整理部長

共同通信社入社後、広島支局、大阪社会部、外信部、経済部、ベオグラード支局、モスクワ支局、ローマ支局、47NEWS編集長などを経て2019年10月より現職。イトマン事件、阪神大震災、コソボ紛争、ユーゴ空爆、モスクワ劇場占拠、アフガン紛争、ギリシャ財政危機、東日本大震災などを取材。

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ヘンリー王子とメーガン・マークルさんの結婚式に参列したベッカムさん(右)と妻のビクトリアさん=5月19日、ウィンザー(ゲッティ=共同)

 サッカー・イングランド代表の元スター選手、デービッド・ベッカムさん(43)が約30キロの速度超過で検挙されたものの、敏腕弁護士が手続きの不備を主張し、おとがめなしとなったことに対し英国で批判が殺到している。英大衆紙「デイリー・メール」(電子版)などが28日、報じた。 

 ベッカム氏は今年1月23日、ロンドンのパディントン地区で約20万ポンド(約3000万円)の高級車ベントレーを運転していたが、制限時速約60キロの道路を90キロ以上で走行、自動速度違反取締装置により検挙された。 

 しかし、同氏の弁護士ニック・フリーマン氏は違反の通知書の到着が法律で定められた期限を1日過ぎていたと主張。ベッカム氏側は車を運転していたのは同氏で、速度超過の事実については認めたものの、裁判所は27日の公判で罪を問えないと判断した。フリーマン氏はこれまでも著名人の弁護士として活躍、司法当局の手続きミスなど指摘し交通違反などの訴訟で無罪を勝ち取ってきたことから「ミスター法の抜け穴」とも呼ばれていた。 

 これに対し、交通安全推進団体「ブレーキ」の代表は「ベッカムのような模範となるべき人物が、手続き上の問題で責任を回避しているのを見るのは失望する」と非難。また、ツイッターなどでは「30キロも速度超過し子供をひいたらどうするつもりか。もし自分の子供だったらどう思うか。恥を知るべき」「我々と同様に罰金を払うべきだ。有名人は法を超越していると思っているのか」「ベッカム、恥を知れ! 責任逃れのために安易な道を選んだ」など批判が相次いだ。 

 一方、ベッカム氏は「とても、ほっとしています。私の法律チームに満足しています」とコメント。裁判には弁護士が出廷し、ベッカム氏はファッション関連のイベントのためパリ滞在中のビクトリア夫人に合流するため同市に向かった。 

 ベッカム氏は1999年にもフェラーリを運転し約40キロ超過で検挙され8カ月の免許停止処分を受けそうになったものの、フリーマン氏はパパラッチに追われていたためやむを得なかったと主張、処分を免れた。また、マンチェスター・ユナイテッド監督を務めたアレックス・ファーガソン氏が禁じられた路肩走行で検挙された際には、フリーマン氏が下痢でトイレに急いでいたと主張しおとがめなしとなった。 (共同通信=太田清)