カワサキのレイ、独走優勝で2018年SBK王者に輝く。前人未到の4連覇達成/SBK第11戦マニクール決勝レース1

 スーパーバイク世界選手権(SBK)第11戦マニクールラウンド決勝レース1がフランスのマニクールで行われ、ジョナサン・レイ(カワサキ)が優勝、通算4回目となるSBKチャンピオンを獲得した。

■スーパーポール2、サイクスがポールポジションを獲得

 土曜の午前中に行われた、決勝レース1の最終グリッドを決めるスーパーポール2。フリー走行総合11番手以下のライダーによって争われたスーパーポール1をトップで通過したレオン・キャミア(ホンダ)と、2番手で通過したトプラック・ラズガットリオグル(カワサキ)のふたりを加えた12名により、気温14度、路面温度21度のドライコンディションで争われた。

 1回目のアタックでトップタイムを記録したのはレイ。2回目のアタックも早めにコースインしたレイは、残り4分を切ったところでファステストを更新してリーダーボードのトップをキープする。しかし、サイクスが最後のアタックラップで1分35秒696を記録してレイを逆転、今シーズン5回目のポールポジションを獲得した。

 レイは0.147秒差で2番手に続き、カワサキ勢が予選ワン・ツーを獲得。3番手にロレンツォ・サバドーリ(アプリリア)が続きフロントロウを獲得したが、2番手のレイとの差は0.721秒差もあった。

 4番手にはチャビ・フォレズ(ドゥカティ)、5番手にアレックス・ロウズ(ヤマハ)。チャンピオンシップで2番手につけるチャズ・デイビス(ドゥカティ)は、6番手から決勝レース1を迎えることになった。

■独走優勝のレイ、前人未到のSBK 4連覇を達成

 レイにとってタイトルをかけたレースとなった、マニクールラウンド決勝レース1は、気温18度、路面温度28度のドライコンディションで争われた。

 好スタートでレースをリードしたのは、ポールポジションからスタートしたサイクス。1周目をサイクスがトップで戻って来るが、2周目の3コーナーでレイがサイクスを交わしてトップに浮上。レイは5周目には2番手以下に約1秒のリードを築き、そのままトップをキープする。

 レイはペースをキープし続け終盤にはその差を3秒以上に広げると、サイクスを交わしてからは一度もトップの座を譲ることなく、独走で今シーズン13勝目を達成。翌日に控える決勝レース2と残り2戦、合計5レースを残して2018年SBKチャンピオンに輝いた。

 サイクスはレイが先行した後、単独2番手をキープして2位に入賞。カワサキがワン・ツーフィニッシュを達成している。

 3番手争いは序盤からフォレズとサバドーリが展開していたが、終盤にはデイビスが加わり、3人によるバトルとなる。

 最終的には、終始3番手をキープしたフォレズが第3戦アラゴンの決勝レース1以来の表彰台となる3位に入賞。0.635秒差の4位にサバドーリが続き、デイビスは5位に終わった。

 中盤すぎまで4、5人のライダーによる展開された6番手争いを抜け出し、終盤にマイケル・ファン・デル・マーク(ヤマハ)を交わしたマルコ・メランドリ(ドゥカティ)が6位に入賞。ファン・デル・マークは一度は単独6番手に浮上したものの、メランドリに交わされて7位でレースを終えている。

 序盤から中盤にかけて6番手争いをリードしていたトプラック・ラズガットリオグル(カワサキ)はファン・デル・マークとメランドリが先行した後に、接戦の8番手争いを展開。ゴールラインまで続いた3人のバトルを僅差で制し8位に入賞した。

 2018年のチャンピオンシップ争いは、今大会決勝レース1でレイが優勝したことで決着。レイはカワサキ・レーシングチーム・ワールドSBKに移籍した2015年から2016年、2017年、2018年と4年連続でチャンピオンを獲得。1988年から始まったSBKの歴史のなかで、前人未到の4連覇を成し遂げる偉業を達成した。

レイは2周目でサイクスからトップを奪うと、そのまま独走優勝を果たした
ウイニングランではチャンピオン獲得のデモンストレーションも行われた
SBKマニクールで4連覇を達成したレイ

 以下、SBK第11戦マニクールラウンド 決勝レース1順位結果。

■SBK第11戦マニクール 決勝レース1順位結果

Pos. No. Rider Team/Machine Time/Gap

1 1 J.レイ カワサキ・レーシングチーム・ワールドSBK(Kawasaki ZX-10RR) 34’15.613

2 66 T.サイクス カワサキ・レーシングチーム・ワールドSBK(Kawasaki ZX-10RR) 3.091

3 12 X.フォレズ バーニーレーシングチーム(Ducati Panigale R) 8.558

4 32 L.サバドーリ ミルウォーキー・アプリリア(Aprilia RSV4 RF) 9.193

5 7 C.デイビス Aruba.it レーシング-ドゥカティ(Ducati Panigale R) 10.074

6 33 M.メランドリ Aruba.it レーシング-ドゥカティ(Ducati Panigale R) 12.509

7 60 M.ファン・デル・マーク パタ・ヤマハ・オフィシャル・ワールドSBKチーム(Yamaha YZF-R1) 14.733

8 54 T.ラズガットリオグル カワサキ・プッシェティ・レーシング(Kawasaki ZX-10RR) 22.878

9 50 E.ラバティ ミルウォーキー・アプリリア(Aprilia RSV4 RF) 23.028

10 76 L.バズ ガルフ・アルテアBMWレーシング・チーム(BMW S1000RR) 23.109

11 2 L.キャミア レッドブル・ホンダ・ワールド・スーパーバイクチーム
(Honda CBR1000RR) 24.709

12 81 J.トーレス MVアスグタ・レパルト・コルセ(MVアグスタ1000 F4) 32.766

13 45 J.ガニュ レッドブル・ホンダ・ワールド・スーパーバイクチーム
(Honda CBR1000RR) 33.456

14 36 L.メルカド オレラック・レーシングVerdNatura(Kawasaki ZX-10RR) 37.808

15 40 R.ラモス チーム・ゴー・イレブン・カワサキ(Kawasaki ZX-10RR) 46.558

16 99 P.ジェイコブセン トリプルMホンダ・ワールド・スーパーバイク・チーム
(Honda CBR1000RR) 49.525

17 11 J.グアノニ ペデルチーニ・レーシング・SC-プロジェクト(Kawasaki ZX-10RR) 57.484

18 22 A.ロウズ パタ・ヤマハ・オフィシャル・ワールドSBKチーム(Yamaha YZF-R1) 1’12.942

– 21 R.マイケル・リナルディ Aruba.it レーシング-ジュニア・チーム(Ducati Panigale R) 19Laps(リタイア)

– 121 M.ルシアーナ ドリーム・チーム・カンパニー(Aprilia RSV4 RF) 20Laps(リタイア)

– 96 J.シュムルツ グアンダリニ・レーシング(Yamaha YZF-R1) (スタートできず)

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