「認知症に理解を」当事者らリレーで訴え 横浜・青葉区

 認知症の人が暮らしやすい地域づくりへの理解を訴え、認知症の人と家族、支援者が全国をリレーする「RUN伴」(認知症フレンドシップクラブなど主催)が29日、県内入りした。あいにくの雨ながら、認知症支援を表すオレンジ色のシャツを着た当事者らが、横浜市内などの7コースをリレーし、地域のつながりの尊さを訴えた。

 同市青葉区内のコースでは、走者やサポートとして、当事者3人のほか、福祉関係者、地域住民、県立元石川高校陸上部の生徒4人ら約100人が参加した。若年性認知症を患っている同区の高井裕さん(66)は昨年に続いて走者となり、「足が前に進んで気持ちよく走れた。とても楽しかった」と笑顔。同じく走者となった68歳の認知症の男性も「認知症であっても、仲間がいるから怖くない」と力強く語った。

 中継点の青葉区役所ではイベントも行われ、高井さんが美しいギター演奏を披露。同高校の地域貢献型パフォーマンスグループの2年生3人がオリジナルソングを、県立市ケ尾高校ジャグリング部の1年生7人が皿回しなどを披露し、認知症の人を激励した。

 RUN伴は、7月1日に北海道の宗谷岬をスタートし、沖縄へ向けて南下を続けている。県内のゴールは10月1日、大井町の「BIOTOPIA(ビオトピア)」。

雨にもかかわらず、認知症への理解を訴え、家族連れの地域住民、福祉関係者、当事者ら多彩な人が参加したRUN伴=横浜市青葉区

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