郷土の偉人が縁、北海道被災地へ募金活動 小田原の中学生

 北海道の地震の被災地を支援するため、小田原市立千代中学校(同市千代)の生徒たちが29日、募金活動をスタートさせた。小田原生まれで、江戸時代末期から明治時代初期に北海道の開拓に尽力した大友亀太郎(1834-97年)の功績に思いをはせ、同校生徒会は「少しでも復興の助けになれば」と協力を呼び掛けている。

 29日には体育館でバザーが開かれた。生徒会の役員らが訪れた保護者や地域住民に被災地の現状や、小田原と札幌両市のゆかりについて記したチラシを配布し、「ご協力をお願いします」などと呼び掛けた。

 生徒会長の鎌田遼さん(15)=3年=は「生徒各自が地震のニュースに衝撃を受けた。大きな力にはならないが、行動しないといけないと感じた」と話した。

 小田原市や同校によると大友は二宮尊徳の門下生。現在の札幌市の中心部に「大友堀」(現在の創成川)を造るなど、用水路や橋の整備、都市開発に尽力し、「札幌開拓の祖」とされる。同校近くの盛泰寺に墓がある。

 小田原市内の中学校では、社会科で北海道開拓について学ぶ際、大友の功績に触れるが、同校の桒畑寿一朗校長は「市内で知る人はそう多くないだろう」と話す。一方で、同校の生徒は市立千代小学校のときから郷土の偉人の大友について学習しているという。

 10月12日まで全校生徒を対象に募金活動を行うほか、同3日に小田原市市民会館で行われる合唱コンクールの際にも募金箱を設置するという。義援金は10月半ばごろに札幌市へ送金する予定。

バザー会場の入り口で募金を呼び掛ける生徒たち =小田原市立千代中学校

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