台風24号 一時399人避難 対馬で国道のり面崩落

 非常に強い台風24号は30日昼前、長崎県に最接近した。長崎県災害警戒本部によると、島原、南島原の2市の全域に避難準備情報が出たほか、午前11時現在で両市や長崎市など6市2町が公民館などに避難所を開設。一時最大341世帯計399人が避難した。欠航が相次いだほか停電も発生し、市民生活に影響が出た。けが人はいなかった。

 風雨の影響で、対馬市美津島町大船越では、国道のり面が高さ10メートル、幅18メートルにわたって崩落しているのを29日午後9時ごろ、走行中のドライバーが発見し、110番通報。一時全面通行止めとなったが、30日朝から片側交互通行が可能となった。全面復旧には1週間程度かかる見通し。

 九州電力長崎支社によると30日午後4時現在、佐世保、長崎、西海、南島原、長与の4市1町の一部で最大約2600戸が停電。交通機関も乱れ、空の便は長崎と東京、大阪などを結ぶ便が、海の便は九州郵船や九州商船のフェリーやジェットフォイルなどが運休。JR長崎線の鳥栖と長崎を結ぶ普通列車の一部に運休と遅延が出た。

 長崎地方気象台によると、雲仙岳で最大瞬間風速42・5メートルを観測。佐世保市干尽町でも風速29・8メートルの非常に強い風が吹いた。

のり面が崩れた現場で、復旧に当たる作業員=対馬市美津島町大船越

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