【台風24号】神奈川11人けが、停電11万軒 住宅半壊

 台風24号による暴風などの影響で、県内では川崎市や海老名市などで男女11人が重軽傷を負ったことが1日、分かった。住宅の損壊被害も出ているが、全容はつかめておらず、今後さらに拡大する可能性もある。

 県などによると、負傷者は川崎市で3人、海老名市と平塚市で各2人、横浜市、相模原市、茅ケ崎市、小田原市が各1人。このうち相模原市緑区では、50代の男性が飛来物で顔をけがする重傷を負った。

 また住宅の被害は、横浜市と逗子市で半壊が計2棟、茅ケ崎市や愛川町などで計28棟の一部損壊が報告されている。東京電力パワーグリッドによると、停電は午前11時ごろで11万軒以上に上っている。

 降り始めから1日午前5時までの総降水量は、山北町の218・5ミリが最多。箱根町は218・0ミリ、相模原市緑区では189・0ミリだった。最大瞬間風速は横浜市中区で38・5メートルに達し、藤沢市辻堂で観測された36・8メートルは10月の観測史上最大だった。

 県内全域に発表されていた暴風警報は全て解除された。

 一方、県内では1日朝からJR、私鉄各線に運休や遅れが相次いでいる。

 JR東日本によると、横須賀線は停電の影響で大船-久里浜間の運転を見合わせており、再開の見込みは立っていない。相模線は倒木により海老名-橋本間で運転を見合わせていたが、午前10時45分ごろに運転を再開した。

 東海道線、京浜東北線、南武線、横浜線、鶴見線は安全が確認できたため、順次運転を再開。ただ一部で遅延が出ている。

 午前10時ごろには京浜急行電鉄本線杉田-京急富岡間で倒木があり、上大岡-金沢文庫間の上下線で一時運転を見合わせていた。

 箱根登山鉄道は、倒木の影響で、1日始発から箱根登山電車の全線(小田原-強羅)で運転を見合わせていたが、午前10時20分ごろに小田原-箱根湯本間で運転を再開した。

運転状況や振り替え乗車を説明するJRの駅員や社員=1日午前7時ごろ、JR横浜駅

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