【台風24号】湘南港、最大風速40メートル超 ベルマーレの練習場冠水

 台風24号による激しい雨と暴風は、神奈川県湘南・西湘地区にも被害をもたらした。藤沢市江の島の湘南港では最大風速40メートル超を記録し、小型ヨットが転倒。平塚市内では大型トラックが強風により横転したほか、小田原市内でも倒木や建物の破損が相次いだ。 (湘南・西湘総局)

 藤沢市江の島の湘南港では1日午前1時以降、徐々に風速が強まった。江の島ヨットハーバーの管理者によると、同1時35分ごろから約10分間、最大風速43・5メートルを記録。湘南港や近くの駐車場に置かれていた小型ヨット(ディンギー)やゴムボートなど計約60艇が飛ばされたり、マストが折れたりするなどした。

 平塚市内では同0時10分ごろ、同市田村の神川橋を走行中のトラックが荷台を風にあおられ、バランスを崩し転倒。平塚署によると、運転手の男性は救助されてけがはなかったが、橋付近の通行が一部で4時間以上、規制された。

 小田原市では、同市城内の小田原城址公園で樹齢約100年とみられる松の木が根元から倒れた。園内では桜や梅なども倒れているのが見つかったほか、観光案内所の屋根に使われていたトタン板約20~30枚が建物周辺に散乱した。

 また同市内では大規模な停電も発生。同市によると、1日午後3時の時点でも未復旧は約3600世帯に上った。市民から「スマートフォンの充電ができず困っている」との声が多数寄せられたため、同市は同9時までの限定で、同市の施設4カ所にスマホや携帯電話を充電できる電源ブースを緊急設置し、防災メールや該当地区の自治会長を通じて告知した。

 一方、大雨による被害もあった。相模川河川敷にある平塚市中堂の「馬入ふれあい公園サッカー場」は2面あるサッカー場全体が川の増水で冠水。サッカーJ1の湘南ベルマーレが練習場として使っているが、再開の見通しは立っていないという。

根元から倒れた松の木=1日午前、小田原市城内

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