自民選対委員長に甘利氏 閣僚辞任から2年半、主要ポスト返り咲き

 安倍晋三首相(自民党総裁)が2日に実施する党役員人事で、甘利明氏(衆院神奈川13区)を選挙対策委員長に起用する方針が明らかになった。政権運営の鍵を握る来年の統一地方選と参院選を見据え、党の基盤固めを加速させる考え。「政治とカネ」を巡る問題による閣僚辞任から約2年半、党四役の主要ポストに返り咲く見通しだ。

 甘利氏は安倍首相の盟友で、党第2派閥・麻生派の重鎮。第2次安倍政権の発足時から経済再生担当相を務め、経済政策「アベノミクス」の推進や環太平洋連携協定(TPP)の交渉など重要政策に携わり政権の屋台骨を支えてきた。

 しかし、週刊誌が報じた秘書による金銭授受問題の責任を取り、2016年1月に経済再生担当相を辞任。17年秋の総選挙で12回目の当選を果たし、党行政改革推進本部長に就いた。今年9月の総裁選では首相陣営の選対事務総長として連続3選に道筋を付けた。政権幹部の一人は「(閣僚辞任も)本人に問題はない」と強調、党内からも「みそぎは済んだ」との声が上がっていた。

甘利 明氏

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