特殊詐欺過去最悪ペース 神奈川県警、対策強化期間スタート

 神奈川県警は1日、10月の「特殊詐欺撲滅対策強化期間」のスタートに合わせ、県警本部で幹部を集めた対策会議を開催した。今年は、振り込め詐欺をはじめ特殊詐欺の認知件数や被害額が過去最悪のペースで推移しており、古谷洋一本部長は「最優先課題として、持てる力を結集し、検挙と抑止両面で最大限の効果を発揮してほしい」と訓示した。

 県警によると、今年8月末現在、特殊詐欺の認知件数は1702件(前年同期比321件増)、被害総額は約37億1600万円(同約2億8600万円増)に上る。年間で認知件数(2314件)、被害総額(約53億円)とも過去最悪だった2017年を上回るペースで推移しており、県警は危機感を強めている。

 次々と新手の手口が現れる中、県警によると、言葉巧みにキャッシュカードを手渡しでだまし取り、暗証番号を聞き出した上で現金自動預払機(ATM)で現金を引き出す手口が主流になっている。親族などをかたって電話をかけるおれおれ詐欺も依然として多い。高齢女性が被害に遭うケースが目立つという。

 県警は「電話でお金の話が出たら詐欺を疑ってほしい。電話機に録音機能を付けることも有効」と呼び掛けている。

特殊詐欺撲滅対策会議で訓示する古谷洋一本部長=神奈川県警本部

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