<大ヒット盤> スキマスイッチ『スキマノハナタバ ~Love Song Selection~』 記念日に贈りたい/聴きたい曲がテーマ

スキマスイッチ『スキマノハナタバ ~Love Song Selection~』

 “記念日に贈りたい/聴きたい曲”をテーマとした企画作品。ジャケットは、各収録曲をイメージした花(例えば、『奏(かなで)』はスイートピー/花言葉:門出)を束ねたイラストだ。本編の全12曲から、幾つか印象的なものを挙げてみたい。

 『Revival』は、会えぬ人との夏の日々を想い出してしまう内容だが、曲調が急変するサビ前に「君に会いたいなぁ」(1番)と「忘れたくない」(2番)と要となるメッセージを印象的に歌う仕掛け。改めて彼らの職人ぶりに感心した。

 報われぬ恋を歌った『藍』は、「いつ会えるんだろう」「どうかいなくなれ」の相反する気持ちで揺れている。ヒネくれているようで、実はとても実直なのもスキマ作品の持ち味だ。

 ラストの『未来花 for Anniversary』は、「美しく輝くその花は未来」という最後の言葉も美しい楽曲で、今後結婚式で流行るかも。大橋が歌い上げたり、裏声でそっと囁いたり、実は歌も上手いと気づいた。

 ボーナス曲は、大橋ソロの『ありがとう』を常田が再構築。母への感謝を綴ったシンプルな曲が、荘厳なクラシックに変身していてお母様も恐縮しそう(笑)。ともあれ、本作を聴けば、丁寧な仕事をしたり、人に対してより誠実でありたいと思えるはず。

(ユニバーサル・通常盤CD 2800円+税)=臼井孝

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