食レポが大変だったロフト縦断ツアー
──豪さんには2014年からやってるロフトフェスに毎年出てもらってるんですよね。
豪:2014年はボク出てないですよね?
──いや、2階のアティックで杉作J太郎さんとトークライブをやってもらったんですよ。今井智子さんの『居酒屋ロック』とか『音楽と人』プレゼンツのトークライブと一緒に。
豪:ということは、これは毎年出続けていてロフトフェスの歴史をよく知ってる唯一の人と、まったく知らない人の対談ってことですね。
──その通りです(笑)。眉村さんはロフトフェスのことを知ってました?
眉村:全然知らなかったです!
豪:そもそも疑問だったんですけど、ワンマンで新宿ロフトを予約した時点でロフトの知識はどれくらいあったんですか?
眉村:「ロフトでライブをやったら泣いちゃう」ってファンに言われたんですよ。それで行ったこともないし、全然知らないのに予約を取っちゃいました。ファンの人たちが喜ぶと思ったから。
豪:それくらい何にも知らない人をロフトフェスの宣伝部長にしようとしてるんだ(笑)。
眉村:だ、大丈夫ですかー!?
──でも、即答でOKでしたよね。「おもしろそう! やります!」って。
眉村:一応、ロフトの全店をまわるツアー(『眉村ちあきのロフトヤッター!ツアー』)もやりましたから。
豪:全店でライブをやった人はほぼいないですよね。
眉村:ロフトで出る食べ物もけっこう知ってると思います。食レポもやったので。
──そう、ルーフトップの企画で各店の一押しメニューを試食してもらったんですよね。
豪:全店制覇した上にロフトヘヴンにまで出てる人はそんなにいないですよ。
──「打ち上げ的なやつ」と称してロックカフェロフトにも出てもらいましたからね。
豪:短期間でロフトの知識を吸収したわけですね。
眉村:ヤッター!
──『ロフトヤッター!ツアー』をやってみてどうでした?
眉村:うーん……食レポがいちばん大変でした。
豪:眉村さんは語彙力が致命的にない人ですからね(笑)。
眉村:それなのにいっぱい食べて、どれだけ食べても語彙力は変わらないのにたくさん食べて……。
豪:それに、ウソもつけない人だから。
──不味いものには不味いと言ってしまうと。
眉村:「どのメニューにもネギが入ってる」とか、そんなことしか言えなくて。言葉を絞り出すのが大変でした。
豪:ボクが出演したのがロフトツアーの阿佐ヶ谷ロフトAの時で、眉村さんとタワーレコードの嶺脇(育夫)さんの社長対談で司会をやったんですよ。眉村さんはみんなをアッと驚かせたい人だから、開場前からステージのテーブルの下にずっと隠れてて、開演したら突然下から現れるっていうのをやりたかったんだけど、前のほうの客には普通にバレてたんですよ(笑)。もっと他に客を驚かせる所があるんじゃないかってことで、備品とかを入れてある客席の椅子の中に隠れたほうがヤバいんじゃないかって話も最初はしてて。
眉村:あの引き出しの所に入ろうとしたんですけど、スタッフさんに「ダメです」って言われました(笑)。それで結局、ステージのテーブルの下で30分間待機して、豪さんと嶺脇社長が「スリラー」の音で出てきて、私がヒョイっと下から出てくるっていうのをやったんですけど、全然ウケなかったんです。
豪:みんなキョトンとしてましたね。あと、証拠を残しがちなんです。いつも履いてるスリッパがそこいらに脱いであって。
眉村:あえてそうしたんですよ。あたかもそこにいるかのようにスリッパを置いて。でも「ここにはいないよー!?」って感じ。
チッタへ行けば出れるんじゃないかと思った!
──ファンの人たちは優しいですね、ちゃんと付き合ってくれるんだから(笑)。それにしても、新宿ロフトのワンマンは大盛況でしたね。
豪:サブタイトルに「関係者席ありません」って書いてあったから、「今回のロフトのワンマンって関係者枠がないんですよね。ボクも前売を買ったほうがいいですか?」って聞いたら、「じゃあライブに出てください!」って言われたんですよ。何をやればいいのかと思えば、「風船を割ってください!」と言われて。
眉村:キャハハハハ!
豪:「風船の中からパパが出てきますから」って。
眉村:パパを巨大な風船の中に入れて、それを豪さんに安全ピンで割ってもらったんです。
豪:何をやるのかとか、説明が全部当日なんですよ。何の説明もなく新宿ロフトへ行ったんです。
眉村:ちゃんと言ったじゃないですか、針で風船を割ってくださいって。
豪:それ以外はすべて当日決定なんですよ。「セリフも言ってほしいんですよ」「何となくこんな感じで」とか、すべてが二転三転するんです。それが基本なんですよね。会社のスタッフの人にも「2人で私を担いで走り回ってほしい」とか突然言うし。「2人じゃ無理ですよ」って言われると「やるのッ!」ってけっこうスパルタな感じになって(笑)。
眉村:だって2人ともウチの会社の平社員だし。
豪:「とりあえずこの全身タイツの格好で客席に行ってきて!」と命令して、「微妙な反応でした」って報告を受けると高笑いしてるし。株式会社会社じゃないもんでは、かなりのパワハラが横行してるんじゃないですかね(笑)。
眉村:そうなんですよ。いっつもパワハラしちゃって自分でも困ってるんです(笑)。
──新宿ロフトのワンマンはチケットが完売だったのに赤字だったそうですね。
眉村:はい。2万円の赤字でした。
豪:その程度だったんですか。物販が異常に売れたんですよね?
眉村:そうですね。結局、物販で取り返したみたいで。チケット代だけで2万の赤字で、あーあ…ってなって。
豪:演出が大掛かりでしたからね。お客さんもステージ上に見たことのない装置がいっぱいあるって驚いてたし。
眉村:爆弾みたいな装置をいっぱい置いて、みんなを怖がらせました。来年の6月にやる新木場スタジオコーストのワンマンは、絶対に赤字にしないようなチケット代の設定にしたんです。
豪:高値を吹っかけるんですか?(笑)
眉村:はい(笑)。前売り4,000円にしました。[註:ロフトのワンマンは前売り2,200円でした]
──それでも良心的な値段ですよね。
豪:でも、絶対に何か仕掛けをするはずだから。
眉村:何か思いついちゃったら、また赤字かもしれませんね(笑)。
──今日は過去のロフトフェスのフライヤーを持ってきたんですけど…(と、2人に渡す)。
眉村:(2017年のフライヤーを見て)あ! 私、これ知ってます。出たいなぁ…って思ってたので。
豪:なんで呼んでくれないんだろう? と思ってたんですか。
眉村:私は呼ばれなかったから、チッタへ行こうと思ったんですよ。チッタの前でなんかやろうと思って。
豪:弾き語りとか?
眉村:そう。南波(一海)さんの『アイドル三十六房』みたいな感覚で、行けば出れるんじゃないかと思って、行っちゃえ! と思って。
豪:そういうシステムのイベントじゃないですよ!
眉村:実際に行こうと思ってたんですけど、遠征かなんかのスケジュールが入って諦めたんです。
豪:2階のアコースティック・ライブ枠とか出られそうですもんね。工藤ちゃんとかいるし。
眉村:岬たんに「なんで出れるんですか?」ってたまたま会った日に訊いたんですよ。そしたら「下北で呑んでたらそこら辺にロフトフェスの関係者がいて、『出たい』って言ったら出れた」って言われて、いいなー! って羨ましがってました。
豪:そんな感じなんだ、ロフトフェスって(笑)。
──そんな感じなんですよ(笑)。
チケットの動きが鈍いのを打破するには?
豪:ロフトフェスっていうのを簡単に説明しますと、毎年けっこうなメンバーを集めた豪華なイベントのはずなんだけど、なぜか不思議とチケットが売れないんですよ。
眉村:チケットが売れないから宣伝部長が必要なんですね。なるほど、なるほど。
豪:「チケットが売れなくて困ってるんです」と、いつも石崎さんから相談を受けてますから。
──たしかに毎年、豪さんに相談してますね(笑)。
豪:「そもそも川崎が遠いんですよ」って毎年言ってますけど。
──新宿のお祝いを川崎でするのがダメなんですかね?
豪:1年目はボクが2階でトークをやったんですけど、そのスペースがまったくトークに向いてなくて。音が反響しまくって、前の3列くらいしか話が聞こえないんですよ。
眉村:エーッ、ダメダメじゃないですか!
豪:音の返しがなくて、出てるほうも声がよく聞こえないから地獄でしたね。2年目はさらに文化レベルを増して、1日目がトーク中心で、ボクはJさんと一緒に司会進行をしながら『サブカル有識者会議スペシャル』に出たんですね。2日目がライブ中心で、有頂天とかオーケンさんとかが出て。1日目に出たのはそれぞれ1組だけでプラスワンを余裕でソールドアウトできる人たちなのに、チケットが全然売れなくてBiSHとかが追加になったんですよ。
眉村:エーッ!
豪:追加でBiSHってなんだよ!? って話ですけど(笑)。
──初動で70枚くらいだったんですよ。阿佐ヶ谷ロフトAでできるレベルです(笑)。
眉村:(2015年のフライヤーを見ながら)玉袋筋太郎ってすごい名前ですね!
豪:いま生まれて初めてその字面を見たんですね(笑)。2年目の2日目は、2階でボクがいろんなゲストを相手にトークをしていったんですけど、それがけっこうおもしろかったんですよ。
──1階のライブが終わったミュージシャンが2階に来て、豪さんとどんどんトークをしていくという、百人組手みたいな感じでしたね。
豪:これは楽しくてやりやすいと思ってたんですけど、3年目はガラッと方向性が変わるんですよ。当時、大ブームだった生ハムと焼うどんの人気に便乗して『大生うどん食堂』というタイトルになったんです。フライヤーにはロフトフェスの文字すらありませんからね(笑)。
眉村:これは酷いですねー!
豪:もっと酷いのは、生ハムと焼うどんと何の接点もない人たちがいっぱい出てるんですよ。恐ろしい!
眉村:ロフトフェスって名前を捨てたんですか?
豪:捨てましたね。さらに恐ろしいのが、このイベントを組んだ時点で生ハムと焼うどんの2人がギクシャクしていたという。楽屋にだいぶ緊張感がある状態でしたからね(笑)。
──楽屋でリアルに揉めてましたからね(笑)。
豪:そうそう。ロフトフェスはそういう恐ろしいイベントなんです!
眉村:どうしよう! 宣伝部長なんて引き受けちゃって!
──いや、まだこれからですよ! あと1カ月ありますから!
豪:4年目の去年は、毎年出ていたボクがついに酷い扱いを受けるようになったんです。ボクと里咲りさ社長と絵恋ちゃんの3人が総合司会で、いろんなバンドと話せるのかなと思ったら、トークでいじってほしくない人たちが意外といたみたいで。絡めないバンドもいたし、絡めても5分くらいしか時間がなかったんです。お互いに得しない感じの長さで、けっこう辛いイベントだったんですよ。さすがにめげて、イベントが終わってから「ボクが奢るのでメシでも食いに行きましょう」って里咲社長と絵恋ちゃんを誘いましたからね。2人とはそれまで何度も共演してるのに、そんなこと初めてでしたよ。「今日は辛かった…」って思いを3人で共有して(笑)。
眉村:エーッ! かわいそー! なんか辛い話しか出てこない!
──豪さん、お手柔らかにお願いします(笑)。
何じゃそりゃ!? と思わせる仕掛けを用意せよ!
豪:今年は川崎と渋谷の2カ所でやるんですけど、開催前から酷いんですよ。川崎のほうは「思いのほかいろんな人たちが出てくれることになったので、豪さんのパートはなくなりました」って言われて。
眉村:エーッ! 最大の功労者なのに!
豪:それでボクは渋谷のほうに出ることになったんです。眉村さんは川崎と渋谷の両方に出るんですよね。
眉村:両方出る人、他にいないんですか?
──ブクガ(Maison book girl)も両方に出ます。
豪:ああ、ブクガもか。かつて勢いがあった生ハムと焼うどんに乗っかったみたいに、今年は眉村さんに乗っかろうとしてるわけです。
──やめてくださいよ(笑)。渋谷のほうは、いま売れてるチケットが200枚くらいなんですよ。デュオのキャパは700人なんですけど。
豪:あと500枚売りたいと。
──そうなんです。なのでこの対談は、公開宣伝会議も兼ねていると言いますか…。
眉村:チケットを売るためにどうすればいいか? ってことですか。
──新宿ロフトのワンマンをソールドアウトさせた眉村さんにノウハウをご教示願いたいんです。
眉村:どういうことかわからないような予告をしたほうがいいですね。それが私のやり方なんですよ。
豪:このあいだのワンマンも「ロフトを爆破する」とか意味のわからない予告をしてましたからね。
──ハナタラシのライブじゃないんですから(笑)。
眉村:爆破って何だろう!? と思ったら、行きたくなるじゃないですか。
豪:ただ、デュオを爆破するのは他の会社だから迷惑がかかりますよ(笑)。ロフト9を爆破するのはまだいいと思うけど。
──よくないですよ(笑)。でもなるほど、何じゃそりゃ!? と思わせる仕掛けを作るのが眉村さん流ということですね。
眉村:はい。あと、赤字覚悟でやることですね。
豪:眉村さんの考えることに乗っかると、会社としては大変なことになりますね(笑)。
眉村:うーん、でもどうしたらいいんだろう? そういうのを考えるのは楽しいから好きなんですけど。
豪:面子的には確実におもしろい人たちが集まってるから、あとはどう宣伝するかですよね。
──当日はデュオでライブをやってもらった後にロフト9でトークをしてもらって、ライブとトークの両方を楽しんでもらうイベントなんですよ。自分でもなかなかおもしろい内容だと思うんですけど、チケットが200枚ほどしか売れてないのはなぜなのか(笑)。
豪:ちなみに豆知識として言うと、今回出演する150.2bitは元NMB48の百花さんが新しく組んだバンドで、木下百花と名乗っていた頃からボクとよく一緒にイベントをやっていたんです。その百花さんが最近ボクに突然メールをしてきて、渋谷のロフトフェスのことが書いてあったんですよ。「最近の豪さんは眉村さんのことばかり話してるし、元カノと今カノが一緒になるようなイベントですね」って。あの百花さんがそんなおかしなことを言い出すくらいのイベントなわけです(笑)。
眉村:豪さんも大変ですね!(笑)
──眉村さんはフライヤーやポスターをけっこう撒きに行ったりするんですか?
眉村:全然しないです。忘れてた(笑)。ポスターもフライヤーも1枚も作ったことがないですね。
豪:そもそも眉村さんのフライヤー自体を見たことがないですね。
眉村:手書きで作ってた時期もあったけど、それもやめちゃって、なんにもしなくなりました。ダメですねぇ。
豪:口コミでいいや、という感じですか。
眉村:フライヤーを配るよりもネットのほうが効果があったんですよ。
豪:どこかへ行ってフライヤーを配るくらいなら、どこかで弾き語りをしたほうがよっぽど効果があると。
眉村:胸の辺りに名前を貼って、ギターを弾きながら唄ったほうが宣伝になりました。ちなみに川崎はどれくらい売れてるんですか?
──チッタの日は売れてるんですよ。もう1,000枚くらい行ってるんじゃないですかね。
豪:WACKバブルの恩恵なんですかね。
──眉村さんのロフトのワンマンはどれくらいで完売したんですか?
豪:けっこう時間がかかりましたよね。
眉村:はい。今年の1月くらいからチケットを売り始めたので、7カ月前から地道に売ってたことになりますね。最初は私も対バンのライブだと5人くらいしか動員がなかったから、500人を埋めるのはあまりに無理すぎて、これはもう地道にやるしかなかったんですよ。だからコーストのチケットももう売っちゃってます。キャパが2,400人なので。
レディー・ガガをロフトフェスに引っ張り出す!?
──たとえば宣伝活動の一環として眉村さんがロフトフェスに出演する人に会いに行く、それをルーフトップの記事にするのはどうですか。
豪:その企画が成立する相手は誰だろう?(笑)
眉村:フィロソフィーのダンスさんは、ついこのあいだ定期公演のゲストに呼んでもらったんですよ。私の話してることをちゃんとわかってくれたんです。
豪:通訳能力が高いんですね。
眉村:だからちゃんと会話ができました。
豪:他の人だとそうはいかないわけですね。
眉村:はい。あとはゼアゼア(There There Theres)の(朝倉)みずほちゃんくらいかな。
豪:じゃあ、MAXのNANAさんとLINAさんに会いに行きますか?(笑)
──MAX、わかります?
眉村:“タカタ〜♪”ですか?
豪:そうです。「Tacata'」は知ってるんですね。
眉村:じゃあ会いに行きます!
豪:なんでも即答しますね(笑)。
眉村:……エッ、じゃあこのお2人はMAXの人たちなんですか!? すごーい!
豪:わからないで返事してたんだ(笑)。最近のMAXはNegiccoと対バンしたり、不思議な活動をしてるんですよ。MAXが地下世界に降りてきたみたいな(笑)。
──4人全員が揃うのはスケジュール的に厳しいらしいんですけど、今回みたいなユニットで動くこともあるんですって。ちなみに、眉村さんはロフト9に出てもらった時にRHYMEBERRYと対バンしたんですけど、「またライブをやるとしたら誰と対バンしたいですか?」と訊いたらこれが届いたんですよ(と、共演したいリストを2人に渡す)。「ここから選んでください」って言われて。
豪:ぼくのりりっくのぼうよみ、椎名林檎、宇多田ヒカル、ゲスの極み乙女。、ヤバイTシャツ屋さん、宮崎駿、レディー・ガガ……。
眉村:それと孫正義さん!
豪:ブクガとsora tob sakanaは今度のロフトフェスで共演が実現しますね。のんの名前もありますけど、眉村さんは彼女の前で絶対に言っちゃいけないことを言っちゃいそうじゃないですか(笑)。
眉村:……そんなに厳しいんですか?
豪:大人の事情がいっぱい絡んでますからね。眉村さんは大人の事情なんて少しも考えないから、無邪気に地雷を踏みそうだと思うんですよ。「名前を変えたのは何かあったんですかー?」って普通に訊きそうだし(笑)。
眉村:たしかに言っちゃいそー!(笑) でも、けっこう希望が叶ってるんですよ。どついたるねんさんとも3マンが実現したし。
豪:このまま行けば孫正義も実現しますよ!
眉村:でも、孫正義さんは何を唄うんだろう?
豪:いっそのことレディー・ガガをロフトフェスに引っ張り出せばいいんじゃないですか?
眉村:そーだ! そうしよー!
豪:レディー・ガガが出るのにチケットが売れないっていう(笑)。
眉村:そこまでやって売れなかったらもう終わりですよ(笑)。
──終わりですね。最終回(笑)。
豪:チケットが売れないと言っても、当日券は意外と伸びたりするんですけどね。ロフトフェスはなぜかステージに立つとカレーのいい匂いがするんですよ。チケットがそんなに売れてないから、イート・スペースを客席の後ろのほうに作っちゃうんです。今年のチッタは大丈夫だと思うけど。
──フロアの中にカレー屋さんがありましたからね。
眉村:だからカレーの匂いでムンムンになるんですね。おもしろーい!
豪:去年は本当にいろいろと大変だったんですよ。ボクと里咲社長と絵恋ちゃんの楽屋がハバナイ(Have a Nice Day!)と同じ部屋で、ライブを終えたハバナイが帰らずに酒を呑み始めちゃって、メインのテーブルを占拠したままだから、ボクら3人は肩身を狭くして鏡ぎわのテーブルに並んで、みんなノートパソコンを開いて黙々と仕事をしてたんですよ。あの日は控室でも、すごく居心地が悪かった!
おもしろそうならとりあえずやってみる!
──それは3人で飲みにも行きますよね(笑)。眉村さんが自分でフェスを主催するとしたら、どんな面子を呼んでどんなことをやりたいですか?
眉村:私がやるならまず廃校舎を借りて、プールにステージを作ったりしたいです。プールステージ、体育館ステージ、職員室ステージ、校長室ステージみたいな感じで。
豪:世田谷ものづくり学校とか、廃校を再生した複合施設がありますよね。新宿にある吉本興業の東京本社もそうだし。ああいうのを上手く利用できればいいですよね。吉本と絡めば実現できそうな気がしますけど。
眉村:いいなぁ。このあいだ『ゴッドタン』の収録でEXITさんっていう吉本の芸人さんとご一緒して、その後にEXITさんからイベントのオファーが来たんです。それで気になって吉本の本社の前を通ったんですけど、開いてませんでした。
豪:勝手に入れないようになってるんですよ!
──眉村さんがフェスを仕掛けたら、一筋縄ではいかないものになりそうですね。
眉村:ロフトフェスでもアレやりましょうよ。入口にトラップを仕掛けて。
豪:この人、よくやるんですよ。入口に紐を仕掛けて、人を転ばせようとしたりとか。
眉村:そういうトラップとか、絶対みんな楽しいと思うんですよ!
豪:集客には結びつかないと思いますけど(笑)。
眉村:でも、たとえば会場がオープンして、お客さんがそのトラップの写真をSNSに上げるじゃないですか。それを見て「今から行っちゃおうかなー」って思う人も……いや、思わないか(笑)。
豪:「オレもこのトラップに引っかかりに行きたい!」とか?(笑) 眉村さんとハンカチ落としをやりたい! とかはあるかもしれないけど。
眉村:11月だし、場内にイルミネーションを飾るのはどうですか? お客さんがピッて指を鳴らすとトゥルルルルルルルル…って電飾が一気に光ったりして。
豪:それなら行こうかな……ってなりませんよ(笑)。設備投資には時間もお金もかかりますからね。
眉村:じゃあ、場内の至る所にQRコードを隠しておくのはどうですか? それを読み込むと秘密の情報が出てくるとか、楽しくないですか? ……あ! いいこと思いついちゃった! 読み込んで出てくるキーワードを集めたらプレゼントがもらえたり、宣伝部長と一緒に写真が撮れるとか。
豪:宣伝部長との撮影に、それほど貴重感はないですね(笑)。
眉村:ああ、そうだった(笑)。吉田豪さんと一緒に写真が撮れるとか。
豪:それも貴重感はないです(笑)。
──ただライブを楽しむだけじゃなく、宝探しみたいにQRコードを仕掛けておくと。
眉村:そうです。読み込んだらスペシャル・ムービーが見れたり、絶対に言ってはいけない秘密が書かれてあるとか。そのうちの一個はただのオバケの顔にしておいて、ギャーッ!! なんだよこれー! ってなるみたいな。
豪:眉村さんはそういうゲーム性があるのが好きですよね。ロフト9のステージの下も機材とかの物置きになってるから、そこに隠れればいいんじゃないですか?
眉村:それ、絶対にやります! 30分待機します!
──待機する前に、ロフト9でもいろいろとお世話になっているサイバーエージェントに営業しに行きませんか?
豪:AbemaTVで宣伝してもらうとか。その前に眉村さんはサイバーエージェントを知らないと思いますけど。
眉村:はい。知りません(笑)。すごい所なんですか?
豪:ITの大会社です。
眉村:私がサイバーエージェントっていう会社に行くってことですか? いいですよ! 行こー! 行こー!
豪:AbemaTVの『矢口真里の火曜The NIGHT』という番組にボクが眉村さんを連れていったことがあるんですよ。シャトーアメーバっていう神宮前のすごい高級なビルがスタジオになってて、そこで収録したんですけど、その時に眉村さんは当時ハマっていたライフルを構えたまま受付を突破したんです(笑)。
眉村:ライフルを持って、敵がいないか確認しながら乗り込みました。
豪:通報されないかハラハラしましたよ(笑)。
眉村:あの建物がサイバーエージェントなんですか?
豪:サイバーエージェントが所有する建物です。
眉村:すごーい! 大会社! いつ行きますか?
豪:行動が早いなぁ。こんなに積極的な宣伝部長も他にいませんよ。よくわからないけどやるっていう(笑)。
──楽しそうならやると。ありがたいことです。あと、宣伝に関してはオモコロっていうおもしろい記事を配信しているWebメディアにも協力してもらう予定です。
眉村:おやすみホログラム?
豪:おやホロじゃなくてオモコロですよ(笑)。
──オモコロのスタッフも眉村さんのことを知っていて、すごく協力的ですよ。
眉村:おもしろそー! やります!
豪:問題は眉村さんがどれだけ理解してるかですよね。このままだとおやホロに会いに行きそうだし(笑)。