京セラ、車載電線用新コネクタ開発 防水でアルミ導体にも対応

 京セラは3日、独自構造で防水した車載電線の分岐コネクタを開発し、サンプル出荷を開始したと発表した。メインハーネスから分岐させた電線をナビやドライブレコーダーなど後付け機器と接続するための部品。一般的な銅導体の電線だけでなく、軽量なアルミ導体電線にも対応。高い水密性で車載アルミ電線の採用で課題だった腐食の問題を解決。自動車メーカーやワイヤハーネスメーカーを顧客に車体軽量化に貢献しながら拡販を目指す。

 新製品「9715シリーズ」の優れた防水性は内側からロックする独自のハウジングロック構造と、専用に開発した高性能なシール材の組み合わせにより実現。厳しい車載要求の防水試験をクリアし、風雨やほこりの影響を受ける車室外でも高い信頼性を保ちながら使用できる。また分岐時には導体を露出させる電線の皮むきの手間がなく、市販の工具で簡単に扱える高い作業性も特長となっている。サンプル品は1個当たり500円で提供する。

 同日都内で説明した電子部品事業本部の鷹尾仁志コネクタ事業部長は「数年後には20億~30億円の販売を目指し、将来的には非車載分野も開拓して100億円以上を売り上げる商品にしたい」と話している。

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