小中学生の五輪チケット「予算準備」 海老名市長明言、確保に不安も

 神奈川県海老名市内の小中学校の全児童生徒に2020年東京五輪・パラリンピックの観戦費用を市が全額補助する構想を掲げている内野優市長は、3日の定例会見で「(必要な予算は)準備する」とあらためて明言した。4月に初めて言及していたが、実際に来年度に向けた予算編成の作業が始まる現段階で実現への意欲を重ねて示した。

 内野市長は予算措置について「費用の問題なら解決する」と強い意志をのぞかせた。だが一方で、争奪戦が予想されるチケットの確保は「費用を出しても取れない事態が出てくるかもしれない。そこが問題」と不安を吐露。「どうやって買うか、方法論を模索しないと(構想を)言っただけで終わってしまう」と課題を強調した。

 市内小中学校の児童生徒数は約1万700人(9月現在)。子どもたちの希望に沿う競技種目のチケットが確保できるか、集団で会場にどうアクセスするかなど、検討を続けている。

 内野市長は4月の会見で人材育成の観点なども踏まえ、「子どもたちが現地で五輪を見ることは一生の思い出になる」と述べ、観戦費用を全額補助する構想を明らかにしていた。

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