相模原市南区当麻の県道の下当麻交差点付近で3日夜、イノシシ2頭が車にひかれ、一緒にいた別の2頭が逃げ去る騒ぎがあった。山間地を抱える同市緑区内でのイノシシ出没は多いが、南区内では少ない。市は4日、付近の小中学校3校にイノシシの出没を知らせて注意を促すとともに、防災無線で「イノシシを目撃したら近づかず、市役所に知らせて」と呼び掛けた。
市や相模原南署によると、3日午後8時10分ごろ、「イノシシが車にひかれている」と同署に通報があった。署員が現場に駆けつけると、母親とみられるメスが後ろ足が動かない状態で発見され、近くで子とみられるメスがひかれて死んでいた。さらに別の子と見られる2頭が付近から逃げるのを署員が目撃した。
県猟友会相模原支部のメンバーや市職員らも駆け付け、親のイノシシを確保。その後、殺処分した。同課によると、親のイノシシは体長135センチ、子も体長約100センチあった。逃げた2頭も体長100センチ程度とみられる。母親と子ども3頭の群れだったらしい。
現場は圏央道相模原愛川インターチェンジ入り口そばで相模川に近く、住宅、農地、樹林などが混在している。同課によると、7キロ余り離れた緑区大島地区で今年春にイノシシの目撃があったが、南区当麻地区では少なくとも最近3年間の目撃例はないという。