横浜港新港ふ頭(横浜市中区)の先端に100年以上前に建造された大型港湾荷役機械「ハンマーヘッドクレーン」が、土木学会推奨土木遺産に認定された。
クレーンは50トン級で高さ約30メートル。貿易量の増大に対応するため、1914(大正3)年に港湾荷役専用クレーンとして英国から輸入された。貨物船が着岸して重量物を効率良く扱うことができるようになり、荷役作業の近代化に貢献した。
23年の関東大震災では新港ふ頭は大半が水没したがクレーンは倒壊せずに復興に携わった。その強固な基礎構造も評価された。
国内で現存する同様のクレーンは、横浜のほか、三菱重工業長崎造船所(長崎市)と佐世保重工業の造船所(長崎県佐世保市)の計3基。長崎の2基は現役で稼働している。
横浜のクレーンは現在使われていないが、市は周辺を「ハンマーヘッドパーク」(仮称、約0・5ヘクタール)として2020年春にオープンする予定。
所有する国土交通省関東地方整備局の担当者は「横浜港の発展に大きく貢献した歴史的な建造物が評価されてうれしい」と話している。